【テツ旅、バス旅 86】京都市バス「観光特急」 鎌倉 淳


 京都駅から清水寺や銀閣寺を訪れる際、どういう交通機関を使うでしょうか。便利なのは市バス。しかし、車内も道路も混んでいて、時間がかかるのが難点です。地下鉄なら時間が読めますが、駅から歩きますし、乗り換えも面倒です。

 そんな旅行者の悩みを解決しそうなバス路線が誕生します。その名も「観光特急」。京都市バスが6月1日のダイヤ改正で新設する系統です。

 観光特急は、京都駅から五条坂、祇園、平安神宮を経て銀閣寺に至ります。全線を走る「清水寺・祇園・銀閣寺ライン」と、京都―五条坂のみ走る「清水寺ライン」の2系統が設定されます。

 途中停留所は、五条坂(清水寺)、清水道(京都行きのみ停車)、祇園、岡崎公園美術館・平安神宮前のみ。京都発はわずか三つ、京都行きは四つです。

 所要時間は、京都駅から五条坂までが10分、銀閣寺前までが24分です。各停系統は銀閣寺前まで44分くらいかかりますので、観光特急は、なんと20分も短縮するわけです。

 観光特急2系統の運賃は大人500円で、通常のバス運賃230円の倍額以上です。「地下鉄・バス1日券」などのフリーきっぷは利用できますが、定期券や回数券、敬老乗車証などは利用できません。

 地下鉄・バス1日券が大人1100円なので、観光特急に1回乗れば、半分近い元が取れる計算です。つまり、フリーきっぷ利用者向けの価格設定となっていて、旅行者を観光特急に誘導しようという意図が見て取れます。日常利用の客と棲み分けを図る目的があるのでしょう。

 運行するのは、通年の土休日。清水寺・祇園・銀閣寺ラインが1日24回、清水寺ラインが1日16回です。時間帯によりますが、両系統あわせて7~15分間隔で運行します。

 それほど待たずに乗れる運行頻度ですが、最近の京都の観光客の多さをみると、果たして運びきれるのかしら、という気がしないでもありません。

 ダイヤ改正では、鉄道駅との接続路線も増強。地下鉄北大路駅や今出川駅から金閣寺・銀閣寺へ行きやすいように、地下鉄とバスを組み合わせたルートの充実を図ります。

 東山方面のバスも増便が予定されています。全体として、京都の観光客激増に対応する意欲的なダイヤ改正となっています。旅行者にとって、メリットの大きい改正となりそうです。

(旅行総合研究所タビリス代表)

 
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