【データ】「緊急事態宣言解除後の初旅行に関する生活者の心づもり・施設に求めること」調査


 インテージは16日、「緊急事態宣言解除後の初旅行に関する生活者の心づもり・施設に求めること」調査の結果を発表した。

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)では、緊急事態宣言全面解除からおよそ1週間後のタイミングに調査を実施しました。

全国の15歳から79歳の男女約800人を対象に実施した調査から、緊急事態宣言解除後の初の旅行を、生活者がどのように想定しているのかを分析した結果の一部をご紹介します。

[ポイント]

  • 自粛解除後の初旅行の時期: 8月と10月がピークの見込み
  • 自粛解除後の初旅行の目的と同行者: まずは温泉旅行、少人数・家族の旅行から
  • 旅行先の施設に求めること: スタッフと利用者のマスク着用などの飛沫対策・「Go To Travelキャンペーン」の利用意向: 6~7割が年内利用に前向き

自粛解除後の初旅行の時期: 8月と10月がピークの見込み

まず、5月25日の緊急事態宣言の解除を受け、次に旅行に行くのは、いつ頃を想定しているか、具体的な時期について聞いてみました(図表1)。

図表1

年内では8月と10月にピークがありそうです。6月から8月までに旅行を想定しているという回答が25%。12月までを含めた2020年以内に旅行を想定している人は52%でした。全国で約半数の方が、年内の旅行を想定しているようです。それでは、具体的にどのような旅行を想定しているのか、次に見ていきましょう。

 

自粛解除後の初旅行の目的と同行者: まずは温泉旅行、少人数・家族の旅行から

この先、最初に行く旅行の目的はどのようなものか、年内の旅行を想定している人に聞いてみました。図表2は、夏(6~8月)と秋冬(9~12月)それぞれのタイミングでの解除後初旅行の目的を聞いた結果です。

図表2

​「温泉」という回答が夏で45%、秋冬で56%と、いずれも最も多い結果となりました。年内の旅行の目的は温泉という生活者が多く、9月を過ぎるとさらにそのニーズが高まりそうです。

夏と秋冬で比較すると、夏に「家族や親戚に会う」が秋冬よりも多く、生活者の“まずは夏の帰省”でしばらく会えていなかった家族の顔を見に行く・顔を見せに行くという気持ちが垣間見えます。

また、「温泉」とともに「宿泊施設でゆっくりする」が夏よりも秋冬に多く、観光スポットを訪れる・アクティビティを行うというより、自宅以外の場所でのんびりと過ごしたいという気持ちが秋冬に向けられているようです。

初旅行は誰と行くか、同じように年内の旅行を想定している人に聞いてみたところ、「夫婦・カップルだけの旅」という回答が夏で31%、9~12月で36%と、いずれも最も多い結果となりました (このチャートは「Intage 知る gallery」(https://www.intage.co.jp/gallery/)で公開しています)。年内の旅行はペアで旅行する生活者が中心となりそうです。夏と秋冬で比較すると、夏は「子供がいる旅」「ひとり旅」が秋冬よりも多く、前述の“まずは夏の帰省”という目的からも、できるだけ少人数、また家族だけの旅行から、自粛後の生活者の旅行は動き出しそうです。

 

旅行先の施設に求めること: スタッフと利用者のマスク着用などの飛沫対策

緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルスの流行は完全に終息はしておらず、第2波・第3波も警戒されています。この先、旅行をする際にも、生活者は注意を払いながら行動をすることが求められます。

それでは、実際に旅行を想定している人達は、この6月時点で旅行先にどのようなことを求めているのでしょうか。旅先の飲食店、お土産店、宿泊施設、案内所などの施設に求めることを聞いてみました。(図表3)

図表3

 

​施設内で実施してほしいことでは、「施設スタッフのマスク着用」「人との間隔を空けた座席の配置」「接触箇所の定期的な消毒」「食事の際はビュッフェではなく配膳式にする」、利用者に対して実施してほしいことでは、「利用者のマスク着用義務化」「利用者に対する消毒の要請」「利用者に感染者が生じた場合の開示や連絡」「利用者の制限」で4割以上の回答がありました。また、情報提供してほしいことでは、「感染防止対策の開示」が36%の回答がありました。

マスク着用や間隔を空けた座席が上位となり、“飛沫”に対する警戒が“直接の接触”に対する警戒よりも強いように思われます。また、施設そのものよりも、自身と同じ“利用者”へのマスクや消毒などの対策とその徹底を施設側に求めているようです。

 

「Go To Travelキャンペーン」の利用意向: 6~7割が年内利用に前向き

最後に、政府による観光需要喚起策で、7月下旬以降に開始される見通しとなっているGoToキャンペーン事業の一つ「Go To Travelキャンペーン」について、宿泊割引やクーポンなどの利用意向について聞いてみました。

2020年の夏(6~8月)と秋冬(9~12月)、そして2021年のそれぞれの旅行について、意向を聞いた結果が図表4です。

図表4

2020年では、夏に旅行を想定した人のうち約7割が、秋冬で約6割の人が利用に前向きな回答がありました (積極的に利用したい+前向きに利用を考えたい)。2021年に旅行を想定した人で見ても、約5割の人が利用に前向きなようですので、”旅行に行きたい気持ち”の後押しに一定の効果はありそうです。

飲食店なども含めたGoToキャンペーン事業全体の予算は1.7兆円という、観光促進事業として、過去に類をみない規模で計画されています。1泊1人あたり最大2万円分のクーポン付与というインパクトもあり、観光業界のみならず、 数か月に及んだ“巣ごもり”が続いた生活者にとっても、今後も注目されていくのではないでしょうか。

日々刻々と変わる状況の中、生活者のサービス利用に対する考え方や意識は今後どのように変化していくのか、インテージでは、いま起きている変化を引き続き追いかけます。


【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】

調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:弊社キューモニターより抽出しアンケート配信
ウェイトバック:2015年度実施国勢調査から推定されたエリア×性年代の人口構成比に合うようにウェイトバック集計
標本サイズ:n=819
調査実施時期: 2020年6月1日(水)~6月3日(金)


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