ジャストシステムは13日、「Eコマース&アプリコマース月次定点調査 2018年総集編【トレンド版】」の結果を発表した。
株式会社ジャストシステムが運営する、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」では、全国の17歳から69歳の男女1,100名を対象に『Eコマース&アプリコマース月次定点調査』を、2017年4月から毎月1回実施しています。
このたび、そのときどきのトレンドに焦点を当てて調査を行っている設問について、2018年1月から12月までの調査データをまとめて分析し直し、その内容を『Eコマース&アプリコマース月次定点調査~2018年総集編 【トレンド版】』 として発表します。
調査データをすべて収録した194ページのレポートを、自主調査レポートページ(https://marketing-rc.com/report/)から、無料でダウンロード提供します。
【2018年の年間トピックス】
2018年、Eコマースやアプリコマース関連分野におけるトレンドは下記のとおりです。
■EC利用者の5割強は、「3大ECサイト」でしか購入しない
■3割強に、サブスクリプション型ECの利用経験
■約半数に、買取サービスの利用経験。最も多い買取先は「実店舗」
■約2割が「D2Cブランド」を認知。若年層ほど認知
■ECの「カゴ落ち」経験者は約7割。その理由は「送料や手数料が高いから」
■約半数が、EC端末としてのAIスピーカーは「広く普及する」
■3割強がコンビニエンスストアの支払いに現金を使わず。キャッシュレス化が進行
■約2割が「QR決済」を利用。10代は3割超
■ECサイトの「Instagram」をフォローする人が、昨年比で1.4倍に
■「平成最後」のキャッチコピーで、商品を購入した人は約6割
3割以上が、コンビニエンスストアの支払いに「現金を使わない」と答えるなど、2018年はリアル店舗での支払いにおいて「キャッシュレス化」が進んだ1年でした。新しい決済方法として注目を集めた「QR決済」は、既に10代の3割に利用した経験があり、今後、若年層から浸透していきそうです。
また、現状では「パソコン」や「スマートフォン」からECを利用する人が多いですが、「AIスピーカー」が「将来、ECで商品を購入する機器として広く普及すると思う」と答えた人は5割を超えました。今後、新デバイスがECを利用する人々の生活スタイルにどう入り込み、どう変化を与えていくか、またEC自体にもどのような影響を与えていくのか注目していく必要がありそうです。
【トピックスの詳細】
■EC利用者の5割強は、「3大ECサイト」でしか購入しない
2018年5月にECで商品を購入した人のうち、51.0%の人が「Amazon」「Yahoo!ショッピング」「楽天市場」の3大ECサイトしか利用していなかったことがわかりました。また、「その他のECサイトでも購入したが、その頻度は3大ECサイトより少ない」と答えた人は20.8%、「その他のECサイトでも購入し、その頻度は3大ECサイトより多い」人は10.6%、「どちらも同程度」の人は13.4%でした。
※2018年5月度調査。
■3割強に、サブスクリプション型ECの利用経験
EC利用経験者のうち、31.3%が「サブスクリプション(定期購入)型Eコマース」を利用したことがあると回答しました。サブスクリプションで購入したことがある商品・サービスとして最も多くの人から挙がったのは「飲料水や食品など」(15.7%)、次いで「化粧品やファッションアイテム」「生活雑貨や消耗品など」(ともに、12.9%)でした。
※2018年3月度調査。複数回答あり。
■約半数に、買取サービスの利用経験。最も多い買取先は「実店舗」
自分が持っている商品を査定して買い取ってもらう「買取サービス」を利用した経験がある人は52.6%でした。買い取ってもらうために最も多くの人が利用したサービスは「実店舗での買い取り」(23.5%)、次いで「インターネットオークション」(22.7%)、「フリマアプリ」(20.6%)でした。
※2018年3月度調査。複数回答あり。
■約2割が「D2Cブランド」を認知。若年層ほど認知
流通業者など他社を通さず、商品を製造するメーカーが直接、消費者に商品を販売する「D2C(Direct to Consumer)ブランド」を「知っている」人は23.3%でした。年代別で見ると、10代(31.0%)、20代(31.5%)、30代(25.0%)、40代(20.0%)、50代(16.5%)、60代(19.5%)で、若年層ほど認知率が高いことがわかりました。
※ 2018年11月度調査。
「D2Cブランドの商品を購入したことがある」「D2Cブランドを知っていて、購入したことはないが、興味はある」 「D2Cブランドを知っているが、購入したこともないし、興味もない」の合計。
■ECの「カゴ落ち」経験者は約7割。その理由は「送料や手数料が高いから」
過去1年間に、ECサイトで商品をカートに入れても購入しなかった「カゴ落ち」をしたことがある人は73.8%でした。「カートに入れても購入をしないことが多い」※1と答えた人にその理由を聞いたところ、最も多くの人から挙がったのは「送料や手数料が高かったため」(35.8%)、次いで「配送日が遅かったため」「選べる支払い方法が少なかったため」(ともに、16.4%)でした※2。
※ 2018年1月度調査。
※1 「カートに入れたものを、購入しないことが圧倒的に多い」「カートに入れたものを、購入しないことが多い」と答えた人が対象。
※2 複数回答あり。
■約半数が、EC端末としてのAIスピーカーは「広く普及する」
2018年11月度調査において、AIスピーカーを知っている人のうち、「AIスピーカーが将来、パソコンやスマートフォンのようにECで商品を購入する機器として広く普及すると思う」と答えた人は50.5%、「どちらともいえない」人は38.8%、「普及しないと思う」人は10.7%でした。男女別に見てみると、「普及すると思う」男性は48.9%、女性は53.1%、対して「普及しないと思う」男性は13.1%、女性は6.9%でした。女性の方がEC端末としてのAIスピーカー利用に肯定的なようです。
■3割強がコンビニエンスストアの支払いに現金を使わず。キャッシュレス化が進行
リアル消費での支払いにおいて、「現金は使わない」「現金は使わないことが多い」と回答した人の割合を2018年6月度調査と2016年9月度調査で比べてみたところ、増加していました。2018年6月度調査において「携帯料金」に「現金は使わない」「現金は使わないことが多い」と回答した人の割合は71.9%(2016年9月度調査:68.4%)、「公共料金」は56.7%(2016年9月度調査:54.6%)、「コンビニエンスストア」は34.5%(2016年9月度調査:27.2%)でした。
■約2割が「QR決済」を利用。10代は3割超
スマートフォン利用者に、「QRコード」を読み込ませることでリアル店舗などで商品が購入できる「QR決済」の利用状況を聞いたところ、20.1%が「利用したことがある」と答えました。年代別に見てみると、10代(30.3%)、20代(26.5%)、30代(23.0%)、40代(19.3%)、50代(13.5%)、60代(9.2%)で、若年層ほど利用率が高いことがわかりました。
※2018年11月度調査。「頻繁に利用する」「ときどき利用する」の合計。
■ECサイトの「Instagram」をフォローする人が、昨年比で1.4倍に
2018年9月度調査において、ECサイトのアカウントをフォローしているSNSを聞いたところ、最も多くの人から挙がったのは「LINE」(59.3%)、次いで「Twitter」(50.2%)、「Instagram」「Facebook」(ともに、35.8%)でした。昨年から最もフォロー率が伸びたのは「Instagram」で、25.4%(2017年6月度調査)から35.8%(2018年9月度調査)と、約1.4倍に増加しました。
※複数回答あり。
■「平成最後」のキャッチコピーで、商品を購入した人は約6割
EC利用経験者のうち、2018年に実施された「平成最後」と銘打った各種ECサイトのセールで「商品を購入した」人は11.9%でした。そのうち、「『平成最後』という言葉が、購入にかなり影響した」と答えた人は60.9%でした。
※2018年12月度調査。調査期間である12月28日までのセールが対象。