サントリーパブリシティサービスは3月15日、クラシック愛好家アンケート調査の結果を発表した。
文化施設の運営・コンサルティング業務を展開するサントリーパブリシティサービス株式会社(本社:東京都 江東区 代表取締役社長:千大輔 以下SPS)は、クラシック音楽や舞台芸術の公演を鑑賞した方1,034名に対して「第3回 クラシック愛好家アンケート調査」を実施しました。
SPSは、同調査を2021年から3年連続で実施し、新型コロナウイルスがクラシック愛好家に対して及ぼした影響を調べています。3回の調査結果を比べると、クラシック愛好家が文化施設に求めるサービスが、感染状況や社会情勢とともに徐々に変化していることがわかりました。
▼以下、分析結果の詳細
1.「空調設備」は特別な設備ではなく、文化施設のスタンダードに。
外出の日常化が「利便性」を後押し。
クラシック愛好家に『施設面で求めるもの』を尋ねたところ、重症化リスクの高い高齢者の感染が急増した2021年の調査結果では、「空調設備の充実」「ロビーの広さ」が第1位、第2位を占め、コロナ禍ならではの必要設備として強く求められていました。
2022年、2023年と年が経過するごとに、双方を求める声は減ってきていますが、下がり幅はどちらも2年間で10%程度に留まっており、今後も一定数は求められると推察されます。特に、「空調設備の充実」は第1位【51%】をキープしており、コロナ禍の特別な緊急設備というよりは、‘文化施設にあって当たり前の設備’として認識されていると言えます。
一方で、コロナ前に最も求められていた「利便性」は、2021年には第4位にランクダウンしていましたが、2022年には第2位へランクアップしています。テレワーク(リモートワーク)から出社への切り替えなど、コロナ前のように外出することが日常化していることが影響していると思われます。
2.「感じの良さ」が右肩上がりに回復。
施設スタッフに求めるサービスは、コロナ前に戻りつつある。
クラシック愛好家に『スタッフのサービス面で求めるもの』を尋ねたところ、「感じの良さ」は、コロナ前は第2位でしたが、重症化リスクの高い高齢者の感染が急増した2021年は、第4位【28%】にランクダウンしていました。しかし2022年【32%】、2023年【36%】と求める声は右肩上がりに伸びています。
反対に、コロナ前に第4位だった「清潔感のある見た目」は、2021年は第2位【46%】とランクアップしましたが、2022年【40%】、2023年【36%】と下降しています。興味深いことに、「感じの良さ」と「清潔感のある見た目」は上下反転の折れ線を描いています。
やはり、非日常空間を楽しむ文化施設では、「清潔感のある見た目」以上に、コロナ前のような人間らしさや温かさなどのおもてなしを求める声が高まって来ているようです。
SPSは、文化施設運営の向上を目指し、今後もクラシック愛好家(鑑賞者)へのヒアリングアンケートを定期的に実施してまいります。調査結果全文(全20問)をお知りになりたい方・クロスデータ等の活用方法は、弊社まで問い合わせください。 |
3.調査概要
■調査目的■
コロナ禍におけるクラシック愛好家の意識や行動変容を明らかにし、オンライン配信、チケット購入方法、公演を選ぶ際の基準や公演鑑賞前後の行動などを調査する。また、世代ごとのニーズや地域差の違いを明らかにし今後の文化施設の運営に貢献する。
■調査対象■
全国2万人から「2022年にクラシック音楽、舞台芸術の有料公演を鑑賞したことがある」と条件設定。
■調査内容■
2022年の鑑賞状況/感染症対策とサービス/オンライン配信/電子チケット/公演を選ぶ際の基準/公演鑑賞前後の行動(全20問)
■調査期間■
2022年12月19日 (月)~12月21日(水)
■調査方法■
インターネットリサーチ
■有効回答■
1,034名