バリーズは20日、「コロナウイルスによるミレニアル世代の旅行意識変化に関する調査」の結果を発表した。
■調査実施の背景
はじめに、新型コロナウイルスに罹患された皆様、影響を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご回復と世界中の感染の終息をお祈り致します。
世界中に猛威を振るうコロナウイルスの拡大は、かつてない事態により旅行市場にも大きな影響を与えています。当社では3月上旬よりこれまで3回に渡り「新型コロナウイルスによる旅行意識調査」を実施しており、日々刻刻と変わる状況の変化とともに、ミレニアル世代の旅行意欲にどのような態度変容が生じるか、を調査しています。これらの調査を通じて、旅行需要回復の一助となれる事に迅速に取り組んで参ります。
■調査結果サマリー
- コロナウイルスの影響で、海外旅行の予約をキャンセルした人は6割。そもそも旅行を予約していなかった層を除くと、8割以上が予約をキャンセル
- 一方、7割以上が収束後「すぐにでも旅行をしたい」と未来の旅行に対して意欲的。慎重ながらも、前向きに検討する人を含めると9割以上が前向きな意向
- 収束後に行きたいエリアは「ハワイ」「韓国」などの定番スポットの他ヨーロッパも。感染者数やフライト時間などは大きく影響せず、選定理由は「自分の大好きな場所」へ行きたいから
- 国内・海外旅行共に、未来に向けて「当分予定は立てたくない」と回答した割合が減少へ。1か月前のピークと比較し、旅行意欲回復の兆候が見られる
1. コロナウイルスの影響で、海外旅行の予約をキャンセルした人は約6割
そもそも旅行を予約していなかった層を除くと、8割以上が予約をキャンセル
- コロナウイルスの流行拡大の影響で旅行をキャンセルした人は6割
- そもそも予約していなかった層を除くと、旅行予定のあった人のうち8割以上がキャンセルに至っている
- 予定していた時期は3月の春休み(40%)、GW(41%)と全体の8割を占める中、夏休みの予約キャンセル者も約2割に
- 3月上旬に実施した第1回調査ではキャンセルした層は約3割だったため、世界中の入出国や行動制限措置、日本での緊急事態宣言の発出による影響で、この2か月間でキャンセル者が倍増したと考えられる
2.一方、7割以上が収束後「すぐにでも旅行をしたい」と未来の旅行に対して意欲的
慎重ながらも、前向きに検討する人を含めると9割以上が前向きな意向
- 海外旅行が「あたり前」のものではなくなり、多くの方が楽しみにしていた旅行の計画を断念せざるを得ない状況となった一方で、ミレニアル世代の未来に向けた旅行意欲は高い
- 4割以上が収束後に積極的に【国内旅行】も【海外旅行】もすぐに行きたいと回答、また2割がすぐに【海外旅行】、1割がすぐに【国内旅行】を希望しており、全体の約7割が旅行に意欲的であると言える
- 彼らが収束の指標として捉えているのは「渡航先の政府から、その国ではもう問題ないという“収束宣言”がでたら(61%)」と、「日本の政府から、もう旅行に行っても大丈夫だという“収束宣言”が出たら(57%)」
- 過去2回の調査で最も多かった「WHOから、世界的にもう問題がないという“終息宣言”出たら」の割合は、今回は半数を切る48%となり減少した
- 日々状況が変化している世界中の影響を考慮すると、今後WHOから終息宣言が発出されるまでには長い時間を要すると考えられ、希望する渡航先各国の政府対応や日本政府からの情報を優先して、収束に伴う情報源として捉える考えにシフトしていると考えられる
3.収束後に行きたいエリアは「ハワイ」「韓国」などの定番スポットの他ヨーロッパも
感染者数やフライト時間などは大きく影響せず、選定理由は「自分の大好きな場所」へ行きたいから
- 収束後に行きたいエリアは、近場や馴染みのある東アジアエリアが最も多く、次いで東南アジアが上位に
- 感染者数が各国で拡大したヨーロッパエリアもニーズは高く、需要の減少は見られない
- 個別の国名であげると「ハワイ」や「韓国」といった定番エリア、「タイ」や「バリ島」といった温かいエリアの人気が高い
- どのデスティネーションにおいても、需要が下がっているエリアはない
- エリア選択理由で多いのは「自分が大好きなエリアで気分転換を楽しみたいから(37%)」、「旅行をキャンセルしたエリアだから(33%)」、「ずっと行きたいと思っているエリアだから(26%)」と、上位はどれもコロナウイルスとは関連のない理由だった
- コロナウイルスの感染リスクに臆することなく「自分たちの好きなデスティネーションに行きたい」というこれまでの旅に対する気持ちと同じ気持ちを強くもっている
- 選択理由の自由回答には「コロナ対策のイメージが良いから」という意見もあり、自粛期間中の各国の対応にも注目している人がいる事が分かる
4. 国内・海外旅行共に、未来に向けて「当分予定は立てたくない」と回答した割合が減少へ
1か月前のピークと比較し、旅行意欲回復の兆候が見られる
- 現状を冷静に判断したうえで「当分旅行の予定は立てないつもり」と回答する方もいる中、今回の調査では、国内旅行においても、海外旅行においても、共に「今後当分予定は立てないつもり」と回答した割合が1カ月前と比較し減少
- 出来るだけ早くまた旅に行きたいと待ち遠しく思う人がまた増加し始めている傾向にもある、と言える
■その他調査結果のポイント
- コロナウイルスの影響に伴う国内旅行のキャンセル者は約4割。そのうち約3割が3月の春休み、約5割がGWに予定していた旅行をキャンセルしている
- コロナウイルス収束後は国内も海外も「すぐにでも」旅行に行きたいと回答した人が最も多いが、海外においては2割が「半年以上先」に行きたいと慎重な意見も
- おうち時間で「旅気分」を味わうためにしていることは、「これまでの旅写真の振り返り(70%)」、「インスタグラムでの旅コンテンツのハッシュタグ検索(52%)」が半数を超えて選ばれている
- 今後また旅行に行ける日に向けて、「旅行」に関する情報収集源は「インスタグラム(94%)」、「ウェブサイト(58%)」が半数を超えており選ばれている
■最後に
過去3回にわたって実施してきた調査を経て一番に思うことは、ミレニアル世代の旅行意欲は失われない、という事です。コロナウイルスの流行拡大に伴い今まで「あたり前」だった旅行は、大きく変わりました。自身のウイルス感染リスク、自身がウイルスを他国に持ち込むリスク、そして渡航先で差別的な態度をとられる可能性があるなど、海外旅行に対する心理的なハードルがこれまで以上に高まる可能性は極めて多くなると考えられます。
しかしそんなハードルが高まる一方、現時点で7割以上の方が「積極的に収束後には旅行をしたい」と回答しています。また、最初に感染者が出た中国や、感染者数の拡大が際立つヨーロッパやアメリカ本土エリアをはじめ、どのエリアにおいても、“行きたいデスティネーション”としての需要の減少は見られません。
今後「ウィズコロナ」時代として我々のライフスタイルの変化が予想される中、旅行に関しても同様の捉え方になるのではと考えます。「旅行は出来ない」「旅行はしない」ではなく、コロナウイルスと向き合いながら、安心安全に旅を楽しむ新たな旅のスタイルが確立していくのだと考えます。
当社としては、今後も行動力や発信力のあるミレニアル世代と、世界中の政府観光局や旅行事業社との懸け橋になれるような取り組みを積極的に行い、旅行需要の回復に貢献できるよう努めて参ります。また海外旅行需要拡大を目指すためにも、国内旅行の需要拡大に向けても全力で取り組み、日本全国の旅行事業社を支援することで旅行業界の回復に貢献して参ります。
■調査概要
- 調査対象:旅行に興味関心を持つ女性(内訳:10代4%/20代50%/30代34%/40代12%)
- 調査期間:2020年5月13日(水)~5月17日(日)
- 回答者数:N=305
- 実施手法:インターネット調査
※調査結果は小数点以下を四捨五入しています。
※ミレニアル世代とは1981年~1996年生まれの現24歳~39歳です。