前年比7.6%増の3430万人と予測
JTB総合研究所は2月20日、訪日旅行マーケットの最新動向をまとめたレポート「データで見る訪日インバウンド市場トレンド2020」を同社ホームページ上で公開した。同レポートから、2020年の訪日旅行者数の予測と、主要6市場(中国、韓国、台湾、香港、タイ、欧米豪)別、国内11地域(北海道、東北、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄)別の現状と今後の見通しを紹介する。
2010年からの「訪日旅行者の推移」は左のグラフの通り。19年の訪日旅行者は3188万人となった。下期に韓国が激減したことで前年比2.2%増と低い伸び率にとどまったが、韓国を除く市場は前年比11.2%増と2桁台の成長を維持した。
20年の予測値は前年比7.6%増の3430万人。羽田、成田の空港容量拡大で国際線座席数が増加、これが訪日需要をけん引するものと期待される。その一方で訪日旅行者数の7割強を占めるアジアからの旅行需要がピークとなる7~9月期に東京オリンピックが開催されるために、ある程度のマイナスは避けられないと予測する。
日本のインバウンドのシーズナリティは欧米豪などアジア圏外からの旅行者のピークが4~6月期にあり、オリンピック開催時期をうまく外している。12年にロンドンオリンピックが開催されたイギリスの場合はロングホールの需要が夏季に集中しており、これに比較すると東京オリンピックは影響が大きくなりにくい可能性がある。
以上の需要予測は19年12月までの市場の状況に基づくものである。20年1月半ば以降、感染拡大が進んだ新型肺炎の影響は織り込まれていない。
「主要市場別動向」と「地域別市場動向」は下の表の通り。