MS&Consultingは8日、「外食店舗における新型コロナウイルス対策への満足度調査」の結果を発表した。
株式会社MS&Consulting(本社:東京都中央区、代表取締役社長:並木 昭憲)は、当社が提供する覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」によって、外食店舗における新型コロナウイルス対策への満足度を調査いたしました。その結果、対策に対して不安を感じる店舗は28.3%あり、非常に安心と答えた場合の再来店意思の満点獲得比率※は、不安と答えた場合の4.3倍に上るという結果になりました。緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルス対策への安心感がお客様の再来店意思に大きく影響を及ぼすことが分かりました。
調査期間:2020年5月8日~6月18日(N=318)
調査対象:外食212店舗
調査方法:弊社サービス 覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」
※再来店意思の満点獲得比率
お客様の再来店意思を確認している設問「また来たいと思われましたか。」において、回答項目の中で満点の回答をどのくらいの割合で獲得しているか、を示した値になります。回答項目は、「5点:必ず来たい、4点:また来たい、2点:たぶん来ない、1点:絶対に来ない」の4段階評価です。
■調査結果①:新型コロナウイルス対策への安心感
図1.「感染症の心配なく、店舗を安心して利用できると感じましたか」に対する回答比率
*設問「感染症の心配なく、店舗を安心して利用できると感じましたか」
回答項目は、「非常に安心だった、問題なし、やや安心感に欠けた、非常に不安に感じた」 の4段階評価
■調査結果②:新型コロナウイルス対策への安心感と再来店意思の関係性
図2.コロナウイルス対策への安心感と再来店意思満点獲得率の関係
縦軸:設問「また来たいと思われましたか(再来店意思)」の満点獲得率
横軸:設問「感染症の心配なく、店舗を安心して利用できると感じましたか」の回答項目
回答項目は、「非常に安心だった、問題なし、やや安心感に欠けた、非常に不安に感じた」 の4段階評価で、非常に不安を感じた+やや安心感に欠けた を「不安」と表現
平常時外食平均:2019年1月~12月における覆面調査(N = 45,833)の平均再来店意思満点獲得率
調査結果②より、新型コロナウイルス対策に「問題なし」と回答された場合、再来店意思満点獲得率が32.1%で平常時と近い数値になりました。どこの店舗でも行われているマスクの着用やソーシャルディスタンスが出来ていれば、平常時とほぼ同じ確率でお客様がリピートしていただけることが分かります。ただ、「非常に安心」は61.5%で、「問題なし」の約2倍、「不安」は14.4%で「問題なし」の約半分の結果となり、新型コロナウイルス対策でお客様に与える安心感がリピート率に大きく影響を及ぼすと考えられます。
■調査結果③:お客様に安心感を与える内容
表1.「非常に安心」と「問題なし」の実施率GAP上位5項目
表2.「不安」と「問題なし」の実施率GAP上位5項目
表1.「非常に安心」N=91 「問題なし」N=137 差:「非常に安心」の実施率から「問題なし」の実施率を引いた値
表2.「問題なし」N=137 「不安」N=90 差:「問題なし」の実施率から「不安」の実施率を引いた値
調査結果③は、新型コロナウイルス対策への安心感に、どのような内容が影響を及ぼすのかを示した表になります。「非常に安心」「問題なし」「不安」と回答されたデータの各設問項目に対する実施率を算出し、表1は「非常に安心」から「問題なし」を引き、表2は「問題なし」から「不安」を引き、その差が大きい上位5項目を抽出しました。
表1から、「消毒液のわかりやすさ」や「接触を避ける工夫」など物を設置して完了する取り組みは、「問題なし」「非常に安心」の双方で実施率が高いことが伺えますが、「スタッフからの感染症対策説明」「スタッフからの消毒液案内」などスタッフからの声掛けが必要な取り組みは、「問題なし」と評価された店舗でも極端に低いことが分かります。「注意喚起の案内・POP」の有無が最も差が大きいことからも、スタッフや店舗からの積極的なアプローチがお客様からの「非常に安心」という評価につながっていると考えられます。
また、表2から「不安」と評価されてしまった店舗では、「消毒液のわかりやすさ」「接触を避ける工夫」の実施率が30%台と、最低限取り組むべき内容が出来ていないことによりお客様へ不安を与えてしまっていることが分かります。多くの店舗が取り組んでいることを最低限実施し、その上で積極的に取り組みをお客様にアピールすることが、お客様の安心、ひいてはリピート率につながっていくと考えられます。