ヴァリューズは8日、新型コロナウイルス感染拡大後の飲食店選びに関する消費者動向変化調査の結果を発表した。
インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の20歳以上の男女28,164人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大後の飲食店選びに関する消費者動向変化をアンケート調査いたしました。また、アンケート調査に加え、ヴァリューズが提供する消費者行動ログ分析ツール「Dockpit」でも分析を実施いたしました。
▼本調査の詳細レポートは下記フォームより無料でダウンロードいただけます
https://manamina.valuesccg.com/articles/1528
【調査・分析概要】 全国のヴァリューズモニター(20歳以上男性)を対象として、 2021年7月21日~7月30日にアンケート調査を実施。(回答者28,164人) ※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。 ※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。 |
◆調査分析背景
2021年9月末で緊急事態宣言が解除され、2021年4月4日以来半年ぶりにどの地域にも宣言や重点措置が出されていない状況となりました。感染拡大防止に努めながらの生活ではあるものの、街や飲食店にも少しずつ活気が戻り始めています。
長く苦戦を強いられてきた飲食業界にとっては再び顧客を取り戻す重要なタイミングですが、コロナの流行は消費者の店の選び方にどのような影響を与えたのでしょうか。ヴァリューズでは今回、「外食シーン」「利用媒体」「人」の3つの視点から、コロナ禍における飲食店選びの実態を調査しました。
◆飲食店選び全体に対するコロナ影響
まずコロナが飲食店選びにどのような影響を与えたのか調査しました。飲食店を探す頻度が低下したり、探す際にも感染症予防の配慮をする人がいる一方で、5人に1人以上が「あてはまるものはない」と回答していました。店舗の営業時間やコロナ対策について性年代別でみると、遅い時間に外食することも多いであろう若年層になるほど営業時間を気にしており、高齢層ほどお店のコロナ対策には敏感になっていました。
◆「外食シーン」からみる飲食店選び
各種外食シーンで飲食店選びはどのような違いがあるのか調査しました。外食シーンは「1人での食事」「友人との食事」「恋人との食事」「家族との食事」と4つに分類し回答を募りました。飲食店の情報収集をおこなうシーンとして最多だったのは「家族との食事」でした。シーン別に性年代をみていくと、「1人での食事」は20代、特に男性が多くなっていました。「友人との食事」では男性より女性の方がよく情報収集してから訪れる傾向があり、「1人での食事」シーンと比べても情報収集する女性は約2倍になっていました。
次に、何を使って情報収集しているのか、外食シーンごとに情報収集媒体を聞きました。各シーンで食べログ・ぐるなびなどが上位に入るなか、「1人での食事」ではGoogleマップが上位に入っていました。その他の項目別で見ると、「家族との食事」ではSNS映えは気にしないのかSNSの利用が他シーンと比べ低かったり、「恋人との食事」ではRettyの利用が他シーンと比べ多かったりと、消費者がシーンに合わせて利用媒体を選択している様子も伺えました。
情報収集にかける時間と予算を外食シーンごとにみると、最も時間をかけるのは友人との食事で、お金を奮発するのは恋人との食事でした。一方、1人での食事には時間もお金もかけたくないニーズが強く出ていました。
どんな飲食店を探しているのか外食シーンごとにみると、「1人での食事」は食事をすぐ済ませられる麺類やファストフード店が選ばれていたり、「友人との食事」「恋人との食事」ではおしゃれなレストラン、「家族との食事」ではワイワイできる店舗などが選ばれていました。外食シーンに合わせた飲食店選びが伺えます。
◆「利用媒体」からみる飲食店選び
まずは、3大グルメ媒体の合計利用者数の推移をみてみましょう。利用者数はコロナ初期に激減し、Go To Eatで一時はコロナ前以上の水準に上がりましたが、効果は短期的で2021年1月には元の水準に戻っていました。
次に、3大グルメ媒体の利用者層や利用重視点を調査しました。利用率・重視率ともに全世代で多くの支持を獲得したのは、口コミの信頼度や写真の豊富さ等情報面でも優位に立った食べログでした。ホットペッパーグルメは、クーポンなどのお得さを武器に20代女性の利用が突出して高くなっていました。ぐるなびは利用者層、利用重視点ともに他2つと差別化されるような特徴は現れず、利用率ピークは50代となっていました。
消費者行動ログ分析ツール「Dockpit」を使用して、消費者が3大グルメ媒体へ訪れた際の検索キーワードを調査、利用目的を分析しました。食べログは他2サイトと比べてGo To Eat関連のキーワードが上位に来ておらず、地名・飲食店ジャンルといった一般ワードでの流入量が圧倒的でした。ぐるなびやホットペッパーグルメでは、食べログと違い、「予約」「クーポン」といったワードが上位に入っており、飲食店選びの最終段階で利用されているケースが多いようです。
次に、Googleマップと SNSの利用者層や利用重視点を調査しました。利用率では食べログに及んでいないものの、Googleマップはお店選びの簡単さから、若い男性人気を獲得していました。またSNSは最新の情報や写真の豊富さから若い女性人気を獲得し、利用者中の重視率も高くなっていました。
◆「人」からみる飲食店選び
飲食店選びに慣れているかの意識聴取を元に、「飲食店選び熟練者」と「飲食店選び初心者」にセグメント分けし、比較分析をおこないました。
興味関心マップをみると熟練者はグルメへの関心が強く、また外食にかけるお金も全体平均と比べて月に4,000円以上も高くなっていました。使用アプリランキングをみるとSNS好きで情報収集を日常的に行う様子が伺えます。
逆に初心者はグルメへの関心が低く、外食にお金を払うより自身で料理をする意向が高いようです。興味関心マップではテレビやマンガなどインドアな関心が強めに出ていました。
熟練者と初心者の飲食店選びの特徴を比較すると、熟練者は飲食店選びを楽しんでおり、味以外のお店に対する細かいこだわりも特徴的に持っていました。一方、初心者は飲食店選びへの苦手意識を持ち、お店は入りやすさと行きやすさという簡単な要素で絞る傾向がありました。