全体的傾向のトップ2は「おいしいものを食べる」「温泉に入る」
公益財団法人日本交通公社は、「旅行年報2018」を10月に発行した。日本人やインバウンドの旅行市場をはじめ、観光産業、観光地、観光政策などについて、各種統計資料や、同財団が実施した独自の調査結果をもとに、1年の動向を解説している。ここでは同年報から、日本人の国内旅行に関するデータの「旅行先(都道府県)別の最も楽しみにしていたこと」を抜粋して紹介する。
「旅行先(都道府県)別の最も楽しみにしていたこと」は、全体的な傾向としては概ね前年と変わらず、旅行の楽しみの2トップは「おいしいものを食べること」「温泉に入ること」となった。次いで、「自然景観を見ること」「文化的な名所(史跡、社寺仏閣など)を見ること」「観光・文化施設(水族館や美術館、テーマパークなど)を訪れること」がそれぞれ約1割の比率であった。
最も楽しみにしていたことについて都道府県別に見ると、一つの目的のシェアが4割を超えたのは「群馬」「大分」の「温泉に入ること」、「京都」「奈良」「島根」の「文化的な名所を見ること」、であった。一方、「茨城」「埼玉」「新潟」などは特定の目的への集中が他都道府県に比べてみられず、分散傾向にあった。
「おいしいものを食べること」は、海鮮料理やラーメン、スイーツなど美食が豊富な「北海道」、讃岐うどんや骨付鳥で知られる「香川」、地鶏料理やマンゴーが有名な「宮崎」で特徴的な楽しみとなっており、全体に比べ10ポイント以上高い。草津・伊香保温泉などを有する「群馬」、別府・湯布院温泉などを有する「大分」では、「温泉に入ること」が4割を占め、かつ、全体に比べて15ポイント以上高い。
「自然景観を見ること」は、「富山」「山口」「沖縄」で2割以上を占め、かつ、全体に比べ10ポイント以上高くなった。
「文化的な名所を見ること」は都道府県による差が顕著であり、特に、前述した「京都」「奈良」を含む近畿と、「島根」を含む中国地方でのシェアが高い。
「観光・文化施設を訪れること」は、東京ディズニーリゾートのある「千葉」、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのある「大阪」、ハウステンボスのある「長崎」で全体より15ポイント以上高い値となった。