日本サウナ・温冷浴総合研究所は3月6日、「日本のサウナ実態調査2023」を発表した。
<調査背景>
一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所(本社:千葉県船橋市。代表:立花玲二。以下、日本サウナ総研)は、2023年1月に日本全国1万人の成人男女を対象とした『日本のサウナ実態調査』を実施した。
(調査方法・インターネット調査 対象18~69歳の男性5015人 女性4985人、また推計人口に関しては各年の総務省統計局人口推計を用いたウエイトバックを行っている)
<主な調査結果>
1.①サウナ愛好家人口推移
図1.①A:サウナ愛好家推計(人口)(2016~2022)
調査開始以降「年に1回以上サウナに入る人」「月に1回以上サウナに入る人」「月に4回以上サウナに入る人」をそれぞれ「ライトサウナー」「ミドルサウナー」「ヘビーサウナー」と区分し調査・推計を行ってきた。サウナ・温冷浴に関して、ブームが来ているとの報道があるが、人口推移を分析すると大きな変化は観察されないということが当研究所の調査結果であった。昨年リリースにおいてはコロナの影響で全般的にサウナに行く頻度が減り、愛好家人口も減少傾向にあったが、今年はすべての層で増加した。ヘビーサウナーが255万人から287万人、ミドルサウナーが521万人から547万人、ライトサウナーが796万人から845万人に増えた結果となった。(図1.①AB参照)
コロナ前(2020リリース時)と比べるとライトサウナーの減は大きいものの、ミドルサウナー・ヘビーサウナーでは2020時点にかなり近づいていることからも愛好家数が復調しつつある。
図1.①B:サウナ愛好家の人口推移(2016~2022)
図1.①C:2021-22年サウナ愛好家人口動向
図1.①Cからも分かる通り、2021-22愛好家人口動向においても減少しているのは「1年に1回程度」のライトユーザーの中でもサウナの利用頻度の低い層のみであり、それ以上の愛好家層は復調している。
1.②サウナ愛好家人口推移の地域差
図1.②A:サウナ愛好家推定人口(対前年比)地域別比較
サウナ愛好家の地域差を検証したところ、大きな地域差があった。関東圏ではヘビーサウナーが22%増、ミドルサウナーが6.8%減の一方で、関西圏では逆にヘビーサウナーが12%減、ミドルサウナーが32%増となっている。この背景に関しては今後の経年変化も追っていきたい。
2.温冷浴の認知度
温冷浴(「熱気浴/蒸気浴→冷水浴→外気浴」のサイクル)に関しては調査開始以来「知らない」が減少し、「知っていて、実践している」が増加し続けていた。2019年ごろから温冷浴の認知と実践が増えていて、この傾向は続いており前回と比べ「知らない」がさらに減った。
図2:温冷浴認知度の推移
3.その他サウナ利用に関しての調査
近年都心部で増加傾向にある「個室型貸切サウナの利用」についても調査を行った。男女とも25%以上が個室型貸切サウナを利用したことがあることが分かる。特筆すべきは11回以上の利用者も男女ともに5%程度ある。また1回当たりの利用金額も3,000円以上が60%を超えている。このカテゴリは今後も一定のニーズがあり伸びていくことが予想される。
図3①:個室型貸切サウナの利用状況
また、逆に「かつてはサウナを利用していたが、現在は行く回数が減った、もしくはやめてしまった」割合や理由を調査したところ40%程度が該当した。理由としては、最も多いのが「コロナが流行っている」ことが挙げられたが、次いで「サウナが混んでいる」「体調不良を起こす」「飽きた」「一緒に行く人がいなくなった」等のコロナと関係ない理由も約1割ずつ挙げられた。
図3②:サウナ利用減の割合や背景