【データ】第14回 新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査 電通調べ


 電通は16日、第14回 新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査の結果を発表した。

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2021年5月中旬、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第14回日米比較編)」を実施しました。

本調査は、電通グループの海外事業を統括する電通インターナショナル社(旧:電通イージス・ネットワーク社)の米国拠点Dentsu U.S.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を20年3月下旬から21年5月にかけて19回にわたり調査したものとほぼ同じ内容を日本国内でも調査したものです。前回の4月下旬に引き続き、日本での第14回目の調査を5月中旬(GW前に発出された緊急事態宣言の再延長期間中)に行いました。比較対象である米国の第19回目もほぼ同時期の5月中旬に調査を行いました。

 

第14回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある回との比較を行っております。

 

<主なファインディングス>

1.日本の生活者の心理ステージは、ステージ3「順応・適応」~ステージ5「収束後の生活」の割合が13回(前回)調査と変わらず36%だった。一方で、米国はステージ3以降が前回より9ポイント上昇し69%と前回に続き、過去最高を更新した。日常を取り戻しつつある米国と、足踏み状態の日本。日米の心理ステージの差が拡大。

2.生活者の感情は、日本では緊急事態宣言が長引く中でネガティブ感情が継続、米国では「前向き」「安心している」などポジティブな感情が表れている。 

3.感染拡大による健康、経済、家計への影響への懸念は、日米ともに経済への影響を懸念する回答が3つのうち最も高い。米国では健康への影響懸念は前回から8%改善。

4.日本において健康、経済、家計への影響を年代別にみると、若年層の方が健康への影響を懸念している比率が高い。家計への影響は、30代の懸念が最も高い。

5.日本において、現在の感染対策行動や意識については、「必要な外出はしているが、できることならあまり外出したくない」が51%と半数を占める。

6.年代別では、20・30代の約3割が「絶対に感染したくないので感染リスクのある行動は極力避けている」とし、5世代の中で最も高い結果となった。「マスク・手洗いである程度予防できると思い、ほぼコロナ前と変わらない日常生活を送っている」「ほぼ気にしていない」との回答は、全世代で約3割存在。

 

<詳細結果>

1.日本の生活者の心理ステージは、ステージ3「順応・適応」~ステージ5「収束後の生活」の割合が13回調査と変わらず36%だった。一方で、米国はステージ3以降が前回より9ポイント上昇し69%と過去最高を更新した。

・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。

・日本では緊急事態宣言延長の中、前回の調査から大きな変化はなく停滞。

・米国は前回に引き続きステージ3~ステージ5の割合が増加し、過去最高を更新。特にステージ4「収束の兆し」が前回から7%増加。日常を取り戻しつつある米国と、足踏み状態の日本。日米の心理ステージの差が広がった。

 

(図表1)生活者の心理ステージ 

質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。

出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。

 

2生活者の感情は、日本では緊急事態宣言が長引く中でネガティブ感情が継続、米国では「前向き」「安心している」などポジティブな感情が表れている。

・日本は4月に行った前回調査から引き続きネガティブな感情が継続。「孤独を感じる」と回答した人が前回から8%増加。

・米国では、「前向き」「安心している」などポジティブな感情が表れている。

 

(図表2)コロナ禍の状況認識

質問:これまでの国内の新型コロナウイルスの感染状況の経過について、あなたはどう感じますか?以下のうち、最も当てはまるものをお選びください。

 

3感染拡大による健康、経済、家計への影響への懸念は、日米ともに経済への影響を懸念する回答が3つのうち最も高い。米国では健康への影響懸念は前回から8%減少。

・日本では、3度目の緊急事態宣言が4都府県に発出された前回調査時から健康・経済への影響を懸念する回答(「非常に心配」「かなり心配」)が増加。

・米国では健康、経済への影響懸念は減少傾向。特に米国では健康への影響懸念が前回から8%減少。

 

 (図表3)健康・経済・家計への影響懸念度

質問:新型コロナウイルスの感染拡大が、あなたの健康に与える影響についてどれくらい心配していますか。

   新型コロナウイルスの感染拡大が、経済に与える影響についてどれくらい心配していますか。

   あなたは、ご自身の家計状況についてどれくらい心配していますか。

 

4.日本において健康、経済、家計への影響を年代別にみると、若年層の方が健康への影響を懸念している比率が高い。家計への影響は、30代の懸念が最も高い。

・健康への影響を懸念しているのは20代が最も高い60%となった。上の年代になると健康への影響を懸念する割合が下がり、60代の「非常に心配だ」「かなり心配だ」の合計は5つの年代で最も低い45%となった。

・家計への影響懸念が最も高かったのは30代で55%。最も低いのは60代で24%となった。経済への影響懸念は、年代で大きな差は見られなかった。

 

 (図表4)健康・経済・家計への影響懸念度―年代別

※質問は図表3と同じ

 

5.日本において、現在の感染対策への意識や行動については、「必要な外出はしているが、できることならあまり外出したくない」が51%と半数を占める。

・「絶対に感染したくないので、感染リスクのある行動は極力避けている」が22%、「マスクや手洗いである程度は予防できると思いコロナ前とほぼ変わらない日常生活を送っている」が21%となり、リスクを最大限に避ける層と、マスク・手洗いをすれば問題ないとする層に二分する結果となった。

 

 (図表5)感染対策への意識と行動

質問:あなたの現在の感染対策や意識について、以下の中から最も当てはまるものをお選びください。

 

6.年代別では、2030代の約3割が「絶対に感染したくないので感染リスクのある行動は極力避けている」とし、5世代の中で最も高い結果となった。「マスク・手洗いである程度予防できると思い、ほぼコロナ前と変わらない日常生活を送っている」「ほぼ気にしていない」との回答は、全世代で約3割存在。

・「できることならあまり外出はしたくない」との回答が最も多かったのは60代で60%となった。

 

( 図表6)感染対策への意識と行動―年代別

※質問は図表5と同じ

 

 

<日本での調査概要>

タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、 第2回:2020年5月11~13日

第3回:2020年5月28~31日、 第4回:2020年6月 9~11日

第5回:2020年6月24~26日、 第6回:2020年7月 8~10日

第7回:2020年8月13~16日、 第8回:2020年9月16~18日

第9回:2020年10月21~23日、 第10回:2020年11月19~22日

第11回:2021年1月28~30日、 第12回:2021年3月19~20日

第13回:2021年4月28日~5月2日、第14回:2021年5月19日~5月21日

エリア : 全国

対象者    : 全国20~69歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施: 株式会社電通

 

<米国での調査概要>

タイトル: COVID Crisis Navigator

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、 第2回:2020年4月3~4日

第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日

第5回:2020年4月 24日、   第6回:2020年5月8日

第7回:2020年5月22日、   第8回:2020年6月5日

第9回:2020年6月19日、 第10回:2020年7月10日

第11回:2020年8月7日、   第12回:2020年9月11日

第13回:2020年10月6日、  第14回:2020年11月11日

第15回:2021年1月14日、 第16回:2021年2月10日

第17回:2021年3月12日、  第18回:2021年4月16日

第19回:2021年5月19日

エリア : 全米

対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施:Dentsu U.S.

 

<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>

【米国】

第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施

第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施

第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施

第4回:事態が長期化している中での実施

第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施

第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での調査結果

第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査実施

第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中で実施

第9回:複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まる中での調査

第10回:累計感染者数が300万人を超え、依然として失業率が高止まりしている時期に調査

第11回: 7月中旬~後半にかけて新規感染者数が7万人を超えピークを迎えた後、落ち着きを見せ始めた中での調査

第12回: コロナ感染拡大から6カ月、感染拡大はまだ落ちつかないものの、大統領選挙の話題が増えてきている中での調査

第13回:大統領選挙まで1か月余り。中西部での感染が拡大。NYでは一部地域で再封鎖実施も報道される中での調査

第14回:大統領選挙が行われた。1日の感染者数が10万人を突破し、感染者数が急激に拡大している中での調査

第15回:ワクチン接種が開始されるも、新規感染者数が30万人突破。変異株の感染拡大も懸念される中での調査

第16回:バイデン政権によりワクチン接種が加速・本格化。1日あたり新規感染者数が10万人を下回る中での調査

第17回:ワクチン接種進むも、変異株などの影響から新規感染者数は減らない中での調査

第18回:ワクチン接種のペースが鈍化、変異株への感染も引き続き多い中での調査

第19回:国民の約3分の1がワクチン接種を完了し、1日当たり新規感染者数が3万人台まで減った中での調査

 

 

【日本】

第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施

第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回った中での実施

第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査

第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施

第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきた中での実施

第6回:東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請された中での実施

第7回:国内の感染者数が1,000人を超え、各地で感染が拡がる中迎えたお盆・夏季休暇中での実施

第8回:感染者数は減少傾向にあり、9月14日に自民党総裁選が行われた直後のタイミングでの実施

第9回:感染者数が安定して推移、「GoToトラベル」キャンペーンの東京発着分追加、「GoToEat」キャンペーン開始など経済活性化政策が強化される中で実施

第10回:国内の1日あたり新規感染者数2,000人を超え、過去最高を更新する中で実施

第11回:年明けに一気に感染者数が増え、2度目の緊急事態宣言が発令される。変異株の感染も報告される中での実施

第12回: 4都県では引き続き緊急事態宣言下(調査終了翌日3/21に解除)の中で実施。

第13回:まん延防止等重点処置や緊急事態宣言が適応・発令される中で実施

第14回:新規感染者数が高止まりし、GWから延長している緊急事態宣言の再延長がされた中での調査

 

 

 

<参考:その他の主なファインディングス>

(ア)コロナ感染の責任

・コロナに感染することは「仕方のないことだ」が52%と高い一方で、「感染するのは、感染予防ができていない・もしくは怠ったからだ」という回答も37%を占める。

(図表7)コロナ感染の責任

質問:新型コロナウイルスへの感染について、以下【A】【B】をお読みいただき、あなたの考えに近しい方をお選びください。【A】感染するのは、仕方のないことだ【B】感染するのは、感染予防などの対策ができていない・もしくは怠ったからだ

 

 

(イ)ワクチン接種時期

・ワクチン接種は、「いち早く接種したい」が前回から4ポイント高く32%だった。

・米国ではすでに摂取したが56%を占める一方、ワクチンは接種したくないも17%を占める。

(図表8)コロナワクチンの接種時期

質問:新型コロナウイルスのワクチン接種が可能になった時、あなたはいつ頃接種したいですか?

 

(ウ)政府/専門家による安全アナウンス後の生活

・政府/専門家による安全宣言が出された後の生活について、日本では「慎重に様子を見る」が47%と最も高いのに対し、米国は「段階的に生活を戻す」が35%と最も高い。

・米国では「即座に元の生活に戻る」も32%と、日本の12%を大きく上回る。

(図表9)政府/専門家による安全アナウンス後の生活

質問:政府や専門家が、コロナ以前の生活に戻っても大丈夫だと宣言した場合、あなたの生活の変化として当てはまりそうなものをお選びください。※元の生活、とはコロナ禍以前の生活を指します。

 


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