電通は8月30日、「第17回 ウェルネス1万人調査」の結果を発表した。
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:榑谷 典洋)において、ヘルスケア領域のターゲット戦略やビジネスモデルの策定から開発、市場投入、コミュニケーション施策までをワンストップでサポートする専門組織「電通ヘルスケアチーム」は、全国20~60代の男女計10000人を対象に、第17回「ウェルネス1万人調査」(以下「本調査」)を実施しました。
2007年から毎年実施している本調査では、生活者の健康意識や行動からヘルスケアインサイトを把握し、その変化について経年比較するとともに、新型コロナウイルス感染症拡大による影響も分析しています。また、認知が広がりつつあるヘルスケア系デバイスやアプリ、パーソナライズサービスの利用状況や意向など、ヘルスケア領域における最新動向の実態や市場ニーズについても生活者視点で調査しています。本調査から得られた主なファインディングスは次のとおりです。
【主なファインディングス】
①「ウェルビーイング」(精神的・身体的・社会的に健康で幸福であること)の言葉の認知は、昨年の20.8%から25.4%に増加。自分の「幸せ度」は、男女共に60代が最も高い。
②「常に健康を意識した生活をしている」人は、コロナ禍の2021年(37.1%)をピークに減少し33.9%とな
った。
③健康のためにかけている1カ月あたりの金額は、商品(1331円)・サービス(896円)で、共に過去5年間で最少。
④健康意識/行動によるクラスター分析で、生活者を7タイプに分類。「幸せ度」が高いタイプは、「クラシック健康生活層」「デジタルヘルスケア層」「心身ともに健康志向層」。「心身ともに健康志向層」が「健康のための商品」にかけている1カ月あたりの金額は2516円で、「何もかも無関心層」の約4倍。
⑤スマホやヘルスケアデバイスで「食事内容の記録/管理」や「睡眠の測定/記録」を続ける理由は、「自分の身体の健康のため」「自分の心の健康、平穏のため」などが高い。
注)本調査における構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
【各ファインディングスの詳細】
①「ウェルビーイング」(精神的・身体的・社会的に健康で幸福であること)の言葉の認知は、昨年の20.8%から25.4%に増加。自分の「幸せ度」は、男女共に60代が最も高い。
・「ウェルビーイング」という言葉について、「内容まで理解している」(5.5%)「見聞きしたことがある程度 (内容はわからない)」(19.9%)と回答した人の合計は25.4%。言葉の認知度は、昨年の20.8%から4.6pt増加した。【図表1】
・生活者が現在の自分の「幸せ度」を100点満点で採点した点数(平均)は、男女共に60代が最も高い(60代男性:62.4点/60代女性:64.7点)。【図表2】
【図表1】
Q. あなたは、「ウェルビーイング」の言葉やその内容をご存じですか。
【図表2】
自分の「幸せ度」(2023年)
②「常に健康を意識した生活をしている」人は、コロナ禍の2021年(37.1%)をピークに減少し33.9%となった。
・「常に健康を意識した生活をしている」(「非常にあてはまる」「ややあてはまる」の合計)と回答した人の割合を経年比較すると、コロナ禍の2021年(37.1%)をピークに減少し、昨年は35.9%、2023年は33.9%となった。【図表3】
【図表3】
Q.「常に健康を意識した生活をしている」について、あなたにどの程度あてはまりますか。
③健康のためにかけている1カ月あたりの金額は、商品(1331円)・サービス(896円)で、共に過去5年間で最少。
・1カ月あたり、「健康のための商品」にかけている金額は昨年の1445円から1331円に、「健康のためのサービス」にかけている金額は昨年の1045円から896円に共に減少。健康のためにかけている金額は、商品・サービス共に過去5年間で最も少額になった。【図表4】
【図表4】
Q . あなたは健康のための商品(サプリメントや健康食品、ドリンクなど)およびサービス(フィットネスやマッサージなど)に、 1 カ月あたりどのくらいかけていますか。最近 1 年で 1 カ月あたりにかけている平均の金額をお知らせください。
④健康意識/行動によるクラスター分析で、生活者を7タイプに分類。「幸せ度」が高いタイプは、「クラシック健康生活層」「デジタルヘルスケア層」「心身ともに健康志向層」。「心身ともに健康志向層」が「健康のための商品」にかけている1カ月あたりの金額は2516円で、「何もかも無関心層」の約4倍。
・生活者を健康意識/行動でクラスター分析し、「デジタルヘルスケア層」「心身ともに健康志向層」「クラシック健康生活層」「メンタル不安層」「気持ちくらいは前向き層」「健康低関心層」「何もかも無関心層」の7タイプに分類。【図表5】
・「幸せ度」が高いタイプは「クラシック健康生活層」(70.1点)、「デジタルヘルスケア層」(63.8点)、「心身ともに健康志向層」(63.2点)。【図表5】
・「健康のための商品」にかけている金額は、「心身ともに健康志向層」(2516円)が最も高く、最も低い「何もかも無関心層」(634円)の約4倍。【図表5】
【図表5】
生活者の健康意識/行動7タイプの特徴
⑤スマホやヘルスケアデバイスで「食事内容の記録/管理」や「睡眠の測定/記録」を続ける理由は、「自分の身体の健康のため」「自分の心の健康、平穏のため」などが高い。
・スマホやヘルスケアデバイスで「食事内容の記録/管理」を続けることができている理由やモチベーションは、「自分の身体の健康のため」(52.8%)が最も高く、次いで「自分の心の健康、平穏のため」(25.8%)、「自分の美容のため」(22.3%)の順に。【図表6】
・同様に、「睡眠の測定/記録」を続けることができている理由やモチベーションも、「自分の身体の健康のため」(55.4%)、「自分の心の健康、平穏のため」(28.9%)の順に高い。3位は「病気にならないため(健診などで指摘されているから)」(18.1%)。【図表6】
【図表6】
Q. あなたが以下の行動(食事内容をスマホで記録/管理する、睡眠の状態をデバイスやスマホで測定/記録する)を続けることができている理由やモチベーション(動機)は何ですか。あてはまるものをすべてお知らせください。
※n数は、項目「食事内容をスマホで記録/管理する」「睡眠の状態をデバイスやスマホで測定/記録する」に、各々「必ず/よく実施している」と回答した人。
【調査概要】
・目的:生活者の健康意識と行動からヘルスケアの現状を把握し、消費者視点で見た市場ニーズやトレンドを分析。
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:20~60代の男女
・サンプル数:10000 ※性年代、地域構成比を人口構成比(R2国勢調査)にあわせて回収
・調査手法:インターネット調査
・調査期間:2023年6月9日~6月12日
・調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト
(参考)過去調査
・第15回調査(2021年12月10日発表。調査期間:2021年9月21日~9月24日)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/1210-010475.html
・第16回調査(2022年12月15日発表。調査期間:2022年9月16日~9月18日)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/1215-010571.html
〈電通ヘルスケアチームの概要〉
ヘルスケア領域に特化したプランナーが所属し、医療用医薬品、OTC医薬品、食品、ヘルステックなどの幅広い業界の事業戦略、マーケティング戦略をサポートするチーム。ウェルネス1万人調査をはじめ、医師/薬剤師の調査や患者調査など豊富なデータソースを活用し、ヘルスケア領域での事業/コミュニケーション活動をサポート。