【データ】第9回「新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査」 電通調べ


 電通は19日、第9回「新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査」の結果を発表した。

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、2020年10月下旬、全国20〜69歳の男女1,000名を対象に「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第9回日米比較編)」を実施しました。

本調査は、電通グループの海外事業を統括する電通インターナショナル社(旧:電通イージス・ネットワーク社)の米国拠点Dentsu U.S.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を今年3月下旬から10月にかけて13回にわたり調査したものと同じ内容を日本国内でも調査したものです。前回の9月中旬に引き続き、日本での第9回目の調査を10月下旬(感染者数が安定して推移し、「GoToトラベル」キャンペーンの東京発着分追加、「GoToイート」キャンペーン開始など経済活性化政策が強化された時期)に行いました。比較対象である米国の第13回目は10月上旬に調査を行いました。

 

第9回調査の主なファインディングスは以下の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある週との比較を行っております。また、日本では今後12月まで月に一度、定期的に調査を実施し、その結果を随時お知らせしてまいります。

 

<主なファインディングス>

1.生活者の心理変容は、日本ではステージ3「順応・適応」以降が51%と半数を超えたのに対し、米国ではステージ1「混乱・動揺」が30%、ステージ3「順応・適応」以降の割合が46%まで後退。

2.日本の生活者の感情は、すべての項目でポジティブに推移。「対処できていると感じる」「充実している」は調査開始以来初めてポジティブに転じた。

3.外出時に感じる危険性は、日本では「危険を感じる」が前回より10ポイント減少。米国は前回と比べて「危険を感じる」は横ばいの結果に。

4.日本では、感染者数がさらに増加した場合、「経済活動が多少犠牲になったとしても再び自粛要請や規制を行うべき」との回答が64%と「自粛要請や規制をすべきでない」の36%を超える。

5.GoToキャンペーンの利用状況は、「既に利用した」及び「今後利用したい・利用する予定がある」の合計がGoToトラベル、GoToイート共に41%となった。

 

<詳細結果>

1.生活者の心理変容は、日本ではステージ3「順応・適応」以降が51%と半数を超えたのに対し、米国ではステージ1「混乱・動揺」が30%、ステージ3「順応・適応」以降の割合が46%まで後退。

・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉え傾向を把握。

・日本はステージ2「変化への対応」の割合が前回から6ポイント減少し、ステージ3「順応・適応」以降の合計が51%となった。

・米国では、ステージ1「混乱・動揺」が前回より9ポイント上昇して30%に、ステージ3「順応・適応」以降の割合が前回の52%から46%に低下。

 

(図表1)生活者の心理ステージ

質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。

出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。

 

 

2.日本の生活者の感情は、すべての項目でポジティブに推移。「対処できていると感じる」「充実している」は調査開始以来初めてポジティブに転じた。

・全体的にポジティブな感情への推移がみられた。

・「対処できていると感じる」「心の平安を感じる」は調査以来初めてポジティブへ転じた。

・「ストレスを感じる」は減少しているものの、引き続き最も高い結果となった。

 

(図表2)生活者の感情

質問:新型コロナウイルスが拡がりを見せる中であなたが感じているものを、それぞれお選びください。

 

 

3 外出時に感じる危険性は、日本では「危険を感じる」が前回より10ポイント減少。米国
は前回と比べて「危険を感じる」は横ばいの結果に。

・日本は第7回調査(8月中旬)以降、「外出時に感染の危険性を感じる」人が減少傾向。今回も10ポイント減少。転じて「危険性を感じない」人が10ポイント増加し過去最高となった。

・米国では44%が「危険を感じる」と回答した。

 

(図表3)外出時に感じる危険性

質問:現在、外出する際、新型コロナウイルスの感染についてどの程度危険を感じますか。

 

 

4 日本では、感染者数がさらに増加した場合、「経済活動が多少犠牲になったとしても再び自粛要請や規制を行うべき」との回答が64%と「自粛要請や規制をすべきでない」の36%を超える。

・感染者数がさらに増加した場合、「再び自粛要請や規制」を求める割合は、前回と変わらず6割を超える。

 

(図表4)感染者がさらに拡大した際の対応の考え

 

質問:今後、感染者数がさらに増加に転じた場合の対応として、あなたの考えにあてはまるものをお選びください。

 

 

5.GoToキャンペーンの利用状況は、「既に利用した」及び「今後利用したい・利用する予定がある」の合計がGoToトラベル、GoToイート共に41%なった。

・「もうすでに利用した」割合は、GoToトラベル17%、GoToイート10%となり、「今後利用したい・利用する予定がある」割合と合計すると、GoToトラベル、GoToイート共に41%となった。

・一方「興味がない・利用する予定がない」割合はGoToトラベルは44%、GoToイートは41%という結果となった。

 

(図表5)GoToキャンペーン利用状況

 

質問:GoToトラベルキャンペーンの利用について、あてはまるものをお選びください。

質問:GoToイートキャンペーンの利用について、あてはまるものをお選びください。

 

 

 

<日本での調査概要>

タイトル: COVID-19生活者意識ナビゲーター

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年4月23~24日、第2回:2020年5月11~13日

第3回:2020年5月28~31日、第4回:2020年6月 9~11日

第5回:2020年6月24~26日、第6回:2020年7月 8~10日

第7回:2020年8月13~16日、第8回:2020年9月16~18日

第9回:2020年10月21~23日

エリア : 全国

対象者 : 全国20~69歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施: 株式会社電通

 

<米国での調査概要>

タイトル: COVID Crisis Navigator

調査手法: インターネット調査

調査時期: 第1回:2020年3月27~29日、第2回:2020年4月3~4日

第3回:2020年4月9~12日、 第4回:2020年4月17~18日

第5回:2020年4月24日、 第6回:2020年5月8日

第7回:2020年5月22日、 第8回:2020年6月5日

第9回:2020年6月19日、 第10回:2020年7月10日

第11回:2020年8月7日、 第12回:2020年9月11日

第13回:2020年10月6日

エリア : 全米

対象者 : 全米18~64歳の男女1,000名

調査内容: 新型コロナウイルス感染症に対する心理ステージ、生活行動、企業への期待など

調査実施:Dentsu U.S.

 

 

<参考:米国と日本における新型コロナウイルス関連トピックと調査実施タイミング>

【米国】

第1回:アメリカにおける感染者数が世界最多を記録した直後に実施

第2回:失業保険申請数が増加するなど景気経済への影響が顕在化してきた中での実施

第3回:新規感染者数や死者数が継続して高く推移している中での実施

第4回:事態が長期化している中での実施

第5回:一部の州での経済活動の再開などが報じられ始めたタイミングで実施

第6回:多くの州で一部の経済活動を部分的に再開した中での調査実施

第7回:50の州全てで経済が再開。一方、失業率が高い水準のタイミングでの調査実施

第8回:人種差別への抗議運動が広がり、コロナでも多数がデモに集結していた中で実施

第9回:複数の州で新規感染者数の最多記録が更新され、第二波への懸念が高まる中での調査

第10回:累計感染者数が300万人を超え、依然として失業率が高止まりしている時期に調査

第11回: 7月中旬~後半にかけて新規感染者数が7万人を超えピークを迎えた後、落ち着きを見せ始めた中での調査

第12回: コロナ感染拡大から6カ月、感染拡大はまだ落ちつかないものの、大統領選挙の話題が増えてきている中での調査

第13回:大統領選挙まで1か月余り。中西部での感染が拡大。NYでは一部地域で再封鎖実施も報道される中での調査

 

 

 

【日本】

第1回:緊急事態宣言が対象地域を全国に拡大(4/16)して1週間が経過した中での実施

第2回:ゴールデンウィーク / ステイホーム週間が明け、感染者数が3月末以降初めて100人を下回った中での実施

第3回:全国で緊急事態宣言が解除された数日後の調査

第4回:全国で緊急事態宣言が解除されてから2週間後。東京アラートが解除されるまでのタイミングで実施

第5回:都内ホストクラブでのクラスタ発生を中心に、感染者が再び増加してきた中での実施

第6回:東京都を中心に感染者数が大幅に増加し、都外への外出自粛が要請された中での実施

第7回:国内の感染者数が1,000人を超え、各地で感染が拡がる中迎えたお盆・夏季休暇中での実施

第8回:感染者数は減少傾向にあり、9月14日に自民党総裁選が行われた直後のタイミングでの実施。

第9回:感染者数が安定して推移、「GoToトラベル」キャンペーンの東京発着分追加、「GoToイート」キャンペーン開始など経済活性化政策が強化される中で実施

 

 

 

 

<参考:その他の主なファインディングス>

(ア)新型コロナウイルスに対する心配レベル

・米国では心配している人の割合が増加したのに対し、日本では減少がみられた。

 

(図表6)新型コロナウイルスに対する心配レベル

質問:現在、あなたは 新型コロナウイルスの感染拡大に関してどの程度心配していますか?

 

 

(イ)地域における経済活動の再開状況

・東京では「部分的に経済活動を再開」が8%増加し、大幅な進展がみられた。

 

(図表7)地域における経済活動の再開状況

質問:お住まいの地域における経済活動の再開の状況について、以下の選択肢の中から、最もあてはまるものをお選びください。

 

 

(ウ)コロナ禍でのニュース閲覧の増減

・日本ではコロナ禍でニュース閲覧が「かなり増えた」が23%、「いくらか増えた」が58%となり、閲覧増が81%となった。

・米国も同様に「かなり増えた」が39%、「いくらか増えた」が40%と増加。

 

(図表8)コロナによるニュース閲覧の増減

質問:新型コロナウイルスの拡大が始まってからの、あなたのニュース閲覧状況について、以下の選択肢から当てはまるものをお選びください。

 

 

(エ)主な閲覧メディア

・ニュースを閲覧するメディアは全世代でテレビと回答した人が最も多かった。

・二番目に閲覧メディアとして挙げられたのは、30代と40代がオンラインニュースサイトおよびそのアプリ、20代ではSNSが挙げられた。

 

(図表9)主なニュース閲覧メディア

質問:あなたが、ニュースを閲覧している主なメディアを、以下の中から一お選びください。

 

 

(オ)「通常の生活に戻る」と思う時期

・米国では通常の生活に「もう元に戻った」が前回比より8ポイント増加。

・日本は依然として米国より長期化を想定。「来年末以降」が6%増加した。

 

(図表10)「通常の生活に戻る」と思う時期

質問:新型コロナウイルスが落ち着き、通常の生活に戻るのはいつ頃だと思いますか。以下の選択肢からお選びください。 


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