訪日ラボは、米国人の日本旅行意識調査の結果を発表した。
今回の調査の結果、
・アメリカ市場における「潜在的訪日客」がすでに40%いる。高所得者層ほど訪日意欲が高い傾向。
・歴史体験や食など、いわゆる「コト消費」コンテンツはアメリカ市場において需要は高い。特に高所得者層ほど顕著。
・アメリカ市場における訪日需要喚起のボトルネックは「高そう」というイメージや「よく知らない」という認知の低さ。今後のPR活動に課題か。
といった内容がわかりました
<調査概要>
調査対象・有効回答数 :1049人
属性:男性502人、女性547人
調査日:2018年6月5日〜2018年6月7日
調査方法:インターネット調査
調査協力:Syno Japan株式会社
【質問】日本は「観光目的の旅行先」になるか、あなたの考え方をお聞かせ下さい。※単一回答
興味がある・行く・行きたい:38.32%
興味があるが、行きたくない:28.03%
日本への旅行に興味がない:33.65%
日本が観光目的の旅行先になるかを質問したところ、アメリカ人のおよそ40%近くが「訪日旅行に興味がある・行く・行きたい」と回答し、潜在的インバウンド市場が十分にあることが伺えます。
【年収別集計】
<年収$100,000(約1,100万円)以下>
興味がある・行く・行きたい:34.45%
興味があるが、行きたくない:27.32%
日本への旅行に興味がない:38.23%
<年収$100,000(約1,100万円)以上>
興味がある・行く・行きたい:58.48%
興味があるが、行きたくない:24.12%
日本への旅行に興味がない:17.40%
年収が10万ドル(約1,100万円)以上の層では60%弱が「訪日旅行に興味がある・行く・行きたい」としており、近年話題となっている欧米豪圏富裕層へのアプローチは、潜在的需要からも理にかなったターゲティングのようです。
【質問】日本への旅行に「興味があり、行きたい」と思う理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答/上位5回答を抜粋
日本の歴史・伝統文化体験:69.68%
自然・景勝地観光:59.20%
繁華街の街歩き:55.03%
日本食や日本酒:50.43%
買い物:42.53%
いわゆる「コト消費」が話題となる前から体験系コンテンツの需要が高かったアメリカ市場ですが、やはり潜在的訪日客においても、「日本の歴史・伝統文化体験」や「自然・景勝地観光」といったコンテンツに需要があります。
【年収別集計】
<年収$100,000(約1,100万円)以下>※上位5回答を抜粋
日本の歴史・伝統文化体験:65.19%
自然・景勝地観光:58.67%
繁華街の街歩き:50.36%
日本食や日本酒:49.37%
買い物:38.53%
<年収$100,000(約1,100万円)以上>※上位5回答を抜粋
日本の歴史・伝統文化体験:78.00%
自然・景勝地観光:59.02%
繁華街の街歩き:66.25%
日本食や日本酒:62.10%
買い物:50.33%
高所得者層・富裕層ほど「コト消費系コンテンツ」への需要が高い様子が見られます。また、「買い物」の回答率が高所得者の方が高いのも、所得がダイレクトに影響している模様です。
【質問】日本への旅行に「興味があるが、行きたくない」「興味がない」と思う理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答/上位5回答を抜粋
高そうだから:23.80%
海外旅行に行くつもりがない:16.85%
よく知らないから(行きたいと思うところがない):13.60%
他の国のほうが優先度が高いから:10.36%
日本が嫌いだから:8.35%
訪日意欲がない理由は「高そうだから」が一番の理由に上がりました。その他の回答を見てみると、適切な情報発信によって訪日需要の喚起のしようがある様子が見られます。
また、「その他」回答者の自由回答を見てみると「トランプ大統領が世界中で嫌われており、他国民のアメリカ人への嫌悪がありそうだから海外旅行したくない」といった世相を表すような回答も見られたのが印象的でした。
【年収別集計】
<年収$100,000(約1,100万円)以下>※上位5回答を抜粋
高そうだから:24.56%
海外旅行に行くつもりがない:7.52%
よく知らないから(行きたいと思うところがない):14.22%
他の国のほうが優先度が高いから:8.67%
日本が嫌いだから:8.66%
<年収$100,000(約1,100万円)以上>※上位5回答を抜粋
高そうだから:23.25%
海外旅行に行くつもりがない:11.83%
よく知らないから(行きたいと思うところがない):9.76%
他の国のほうが優先度が高いから:25.79%
日本が嫌いだから:0.56%
所得別に集計してみると、意外にも「高そうだから」という理由は収入の大小によらず上位にランクインしています。また、「他の国のほうが優先度が高いから」という回答では、高所得者層では25.79%となっています。
そのため、第一問の訪日意欲を問う質問で高所得者層の60%が訪日意欲あり、との結果が得られたものの、まだまだ取りこぼしがある様子が、ここから見られ、PRなどで改善の余地がありそうです。