群馬県が1日発表した2017(平成29)年の観光入り込み客は6448万7千人となり、前年に比べ0.5%増えた。7~8月の長雨や10月の台風の影響があったものの、大きな落ち込みにはつながらなかった。
日帰り客は前年並みの5644万人だったが、宿泊客は同5.9%増の805万人と好調。「宿泊客はここ数年減少傾向だったが、06年度の805万人以来11年ぶりに800万人を超えた」(観光物産課)。県内客は同1.4%減の3606万人、県外客は同3.6%増の2843万人だった。
16年よりも入り込みが15万人以上増えたのは中之条町や高崎市、みなかみ町など。特に、中之条町は隔年開催の中之条ビエンナーレが開かれたこともあって約52万人も増加した。
一方、沼田市や富岡市、桐生市などは減少幅が大きく、沼田市は16年に放送されたNKH大河ドラマ「真田丸」の特別イベントや真田丸展の終了が響き、約31万人の減少となった。
温泉地を見ると、草津温泉(草津町)が湯畑周辺の再整備による人気の高まりで325万人(同5.8%増)の入り込みを記録した。ただ、今年は草津白根山の白根山の噴火や観光ルート「志賀草津道路」(国道292号)の通行止めの影響もあり、減少に転じる可能性もある。
水上温泉郷(みなかみ町)も203万人(同4.5%増)と好調。積雪増によるスキー客の増加やユネスコエコパーク登録効果が出た。
観光消費額は微増の1894億円。観光客1人当たりの消費単価は、日帰り客が同4.2%減の1682円、宿泊客は微減の1万1734円となった。