TrustYouは26日、2021年〜2022年の「クチコミ数」と「クチコミスコア」の推移を発表した。
日本国内宿泊施設の「客室稼働率」、「クチコミ数」と「クチコミスコア」の推移(2021年〜2022年)
TrustYouでは、観光庁が発表している宿泊旅行統計調査(https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/shukuhakutoukei.html)の「客室稼働率(全体)」とTrustYouのデータが示す日本国内の宿泊施設の「クチコミ数(全国)」と「クチコミスコア(全国平均)」の推移を追跡しています。
下記の折れ線グラフは、2021年1月から2022年12月末までの「客室稼働率(全体)」(12月分は未発表)と、「クチコミ数(全国)」の増減を表したものです。
さらに下記のグラフでは、「クチコミスコア」(100点評価)の推移も表示しています。
主な出来事:
2021年4月:ステージ2以下と判断された都道府県で「県民割」(地域観光事業支援)が再開
2021年9月:緊急事態宣言の解除、東京都の「都民割」が再開
2022年3月:重点措置の解除
2022年8月:客室稼働率(全体)が50%を超える(2020年2月以来)
2022年10月:全国旅行支援の開始、海外からの個人旅行再開、入国ビザの緩和
別添資料:https://prtimes.jp/a/?f=d17267-20230126-f1feb89d145b19e3d429b6331e1043af.pdf
※インサイト(データからの考察):
1)「客室稼働率」が上がると「クチコミ数」も増え、2つの指標の増減はほぼ同じ動きをします。
2)コロナ禍中においては、顧客満足度の指標である「クチコミスコア」は、「客室稼働率」と「クチコミ数」が上昇すると、逆に下降する傾向が見られました。
3)2022年9月以降、「クチコミスコア」は緩やかに上昇しはじめています。
コロナ渦中における、政府自治体主導の旅行喚起キャンペーン(Go Toトラベル、県民割、都民割)は、客室稼働率の上昇に大きく貢献しましたが、クチコミスコアが下がっていた事実を見ると、宿泊業界の人材不足やコロナ禍における衛生管理対策など負担や、久しぶりの国内旅行に対するゲストの期待値と現実とのギャップなど、若干の顧客満足度の低下につながった側面が読み取れます。上記の動向などを踏まえ、TrustYou株式会社代表取締役の志和孝洋は次のようにコメントしています。
「旅行需要キャンペーンが実施されたことは景気回復の足掛かりとして非常に喜ばしい出来事でしたが、現状(人材不足など)を考えると、提供したいサービスを絞っての現場運用をせざるを得ない宿泊施設も多かったと思います。宿泊されるゲストは、チェックインの時間をずらしていただくなど、待たされない為の工夫をしていただくことでより一層、旅行を楽しむことができるのではないかと思います。
今後も継続して旅行業界関係者には、お越しいただくゲストの皆さまに満足度の高いサービスを提供するために、どのようなサービスを絞り、提供していくのか、クチコミからの情報を活用できることをお伝えしてくとともに、政府、自治体関係者へも更なる観光立国推進のため顧客満足度を高める取り組みができるように連携をしていきたいと考えています。」
また、2022年9月〜11月にかけてのクチコミスコアの上昇には、日本人よりも高いクチコミ評価を残す傾向がある海外からの旅行者が増えていることや、宿泊施設側のゲストの期待値コントロールがうまく行っていること、ニューノーマル時代の旅行スタイルが定着したことなど様々な要因が考えられます。TrustYouでは今後のクチコミスコアの動向を注視していく予定です。