ヴァリューズは11月25日、「Webサイト&アプリ市場のユーザー数ランキング2021」を発表した。
インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、2021年1月~10月のWebサイトのアクセス数、スマートフォンのアプリの起動数を調査し、ランキングを作成。前年との比較や、年代別での利用傾向、EC利用に関しても分析をおこないました。
【調査・分析概要】
全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)の協力により、2021年1月~10月のネット行動ログを調査。 ※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。Webサイトの「カテゴリ」はヴァリューズが独自に定義。 ※アプリのユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。アプリのカテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得。メール、Google Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmailなどプリインストールアプリは対象外とする。 |
◆2021年の年間トップWebサイトは昨年と同じく1位:Google、2位:Amazon、3位:楽天市場
2021年、最も多くのユーザーがアクセスしたWebサイトはどこなのか、ヴァリューズが保有するWeb行動ログデータから各Webサイトの訪問者数を調査し、ランキングを作成しました(図表1)。
1位は検索エンジンの「Google」、2位に「Amazon.co.jp」、3位は「楽天市場」で、トップ3の顔ぶれ、順位は2020年の調査(※)と変わらず。いずれも前年比でユーザー数は微増しており、堅調に推移しています。
4位には「Yahoo!ニュース」が入りました。ポータルサイトの「Yahoo! JAPAN」のユーザー数を上回っており、即時性の高いニュース速報メディアの需要の高まりがうかがえます。
また、20位の「Google Docs」は前年比122.3%と2桁成長。オンラインでドキュメントを作成、共同で編集することができるサービスで、在宅勤務やリモートワークの普及により、さらに利用者が増加したものと考えられます。
※(参考)2020年のWebサイト&アプリ年間ランキング
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000007396.html
◆コロナ禍でECが好調。特にアプリのAmazon、楽天市場、メルカリが利用者を伸ばす
スマートフォンのアプリに関しても、2021年1月~10月のアプリ起動ユーザー数を調査することで、“実際によく使われているアプリ”をランキングにしました(図表2)。
アプリ利用では、1位が「LINE」、2位「Twitter」、3位「Amazon ショッピング」となっており、いずれも利用者数は前年よりも増加しています。上位アプリの中では「Amazon ショッピング」が前年比108.6%、「楽天市場」が前年比111.1%、「メルカリ」が前年比111.5%とECが好調。新型コロナによる緊急事態宣言の発令が相次いだ2021年は、感染症対策のため、外出や店舗での買い物を控える代わりにEC利用が促進されたといえそうです。
また、昨年も高い伸び率を示していたキャッシュレス決済アプリの「PayPay」は、2021年も5位にランクインし、前年比114.5%と利用者数をさらに伸ばしました。キャッシュレス決済サービスは、14位に「d払い」(前年比118.3%)、22位に「楽天ペイ」(前年比120.5%)、25位に「au PAY」(前年比113.7%)と、通信キャリア系アプリが名を連ね、前年比も増加。依然として利用者の裾野が広がっているようです。
◆年代別は20代でUber Eatsのアプリ利用者が前年比約1.4倍に増加。フードデリバリーが日常化
前述のWebサイトやアプリの利用者数について、各年代別でも集計を行いました。図表3,4は、20代、40代、60代以上のランキングになります。
Webサイトのトップ3の顔ぶれは各年代で共通ですが、60代以上のシニア層では、1位「楽天市場」、2位「Amazon.co.jp」、3位「Google」となり、楽天市場の利用者数がAmazonを上回りました。
また、20代においてはトップ5に「YouTube」や「Twitter」もランクイン。他年代の上位には見られないSNSとして、「Instagram」も14位に入りました。
一方、アプリの年代別ランキングをみてみると、60代以上では総じてどの上位アプリも利用者数の前年比が高くなっており、シニア層のアプリ利用が加速していることが考えられます。特に13位に入ったコンビニアプリの「セブン-イレブン」は前年比138.9%と大幅増。40代でも13位にランクイン(前年比118.5%)し、ミドル~シニア層から支持を得ています。
20代では、昨年まではトップ20内に入らなかった「Uber Eats」が、今年は16位と躍進。若年層ではフードデリバリーサービスの利用が定着し、日常化したと言えるでしょう。
◆ECではWebサイトに強いヨドバシ、アプリに強いヤマダデンキという構図も
最後に、ヴァリューズが独自に定義した「ショッピング」関連のWebサイト、Google Playのカテゴリ「ショッピング」に絞ったアプリで、それぞれユーザー数のランキングを作成しました(図表5)。
Webサイト、アプリ共に1位がAmazon、2位は楽天市場で、二強となっています。Webサイトでは3位に「Yahoo! ショッピング」、4位に「ヨドバシカメラ」、5位に「PayPayモール」と続きますが、アプリでは3位「dポイントクラブ」、4位「メルカリ」、5位「UNIQLO」となっており、家電系では7位に「ヤマダデンキ」が入りました。10位までを比べるとWebサイトとアプリでは顔ぶれが異なっており、同じショッピング関連のサービスであっても、それぞれに強みを発揮している様子がうかがえます。
フードデリバリーやEC、キャッシュレス決済の日常利用など、新型コロナウイルス感染症対策から生まれた「新しい生活様式」は、若年からシニアまでの幅広い年代層で、それらが定着しつつあることがわかりました。来年2022年はどのようなネットサービスが新たに勢力を伸ばすのでしょうか。ヴァリューズでは引き続き、Web行動ログデータをもとに調査を続けてまいります。
▼(参考)2020年のWebサイト&アプリ年間ランキング
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000007396.html