2020年5月調査(全国男女10,000名に対するインターネットアンケート調査、弊社実施)では、「観光に行ってもよい環境になれば旅行に行きたい」か否かという設問に対して「是非行きたい」が46.2%、「行きたい」が21.7%、「やや行きたい」が12.6%と合計すると80.5%の回答者が旅行に行きたいとの回答結果であったところ、今回2021年1月調査(同上調査)では「是非行きたい」が55.2%、「行きたい」が18.8%、「やや行きたい」が9.5%と合計しますと83.6%の回答者が旅行に行きたいと回答していました。
上記10,000名のうち、旅行に対して肯定的な回答者のうち200名について、移動手段に関する調査を行った結果、飛行機については、「使用に問題なし」が53.5%、「使用に概ね問題なし」が18.5%と合計72%という結果でした。
前回2020年5月調査では合計57.5%であり、今回調査では約+14.5%という結果でした。電車については、「使用に問題なし」が53%、「使用に概ね問題なし」が19.5%と合計72.5%という結果でした。
前回2020年5月調査では合計65%であり、今回調査では約+7.5%という結果でした。
バスについては、「使用に問題なし」が38.5%、「使用に概ね問題なし」が18%と合計56.5%という結果でした。前回2020年5月調査では合計51%であり、今回調査では約+5.5%という結果でした。
乗用車については、「使用に問題なし」が73.5%、「使用に概ね問題なし」が14%と合計87.5%という結果でした。前回2020年5月調査では合計87.5%と同値でした。
旅行に行く際、誰と行きたいかという調査については、「子供と一緒3人以上」が△8%、複数家族が△3%、複数世帯が△1%、1人で旅行が△1%であり、夫婦・カップルが+9.5%、友人同士が+5%、ペット同伴が+2.5%という結果でした。
旅行に行く場合、客室やバスルームをはじめ、館内が清潔に保たれ、除菌消毒の徹底した宿泊施設を選びたいかとの設問では、それら取り組みを「大変重視する」と「重視する」との合計回答者割合について、前回2020年5月調査と比較し+2.5%という結果でした。
合計90.5%が除菌消毒を求めており、前回調査時点よりもその意識が強まっています。
その場合、他に除菌消毒以外はほぼ同等の施設があった場合、上記施設に対して追加でいくらまで支払ってもよいと思うかとの設問では、「1000円/室以上」が+6%、「700円/室~900円/室」が△1%、「400円/室~600円/室」が△7.5%、「100円/室~300円/室」が±0%、「追加は支払いたくない」が+2.5%という結果であり、1,000円/室以上を1,000円/室として追加料金を支払っても良いと考える人の平均値を計算しますと前回が704円/室、今回が751円/室という結果でした。
上記のとおり、除菌消毒ニーズが強まっただけではなく、「付加価値」としても認められ、その額もADRベースで約+50円という結果でした。
一方で、「丁寧なおもてなし」を求める回答者割合が2020年5月調査では87.5%であったところ、今回は85%でした。
「そこでしか食せないような料理」は同2020年5月調査では90%が今回は87%でした。「ゆっくり泉質の良い温泉につかりたい」が同2020年5月調査では91%と今回も同値という結果でした。
前回の緊急事態宣言発出中での旅行ニーズと今回調査を比較しますと、旅行形態については、電車やバス、飛行機について以前より気にしない顧客層が増加している他、できるだけ団体は避けつつ、夫婦・カップル、友人同士での旅行ニーズが増加しているように見受けられる他、除菌消毒についてニーズが増加し且つそれはすでに「付加価値」として意識的に定着してきた可能性が高いものと思われます。
一般社団法人観光品質認証協会 統括理事
㈱サクラクオリティマネジメント 代表取締役
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士,MAI,CRE,FRICS 北村 剛史