滋賀県大津市は、約670平方キロメートルという日本最大にして最古の湖「琵琶湖」の畔、県の南西部に位置し、京都、大阪など近畿圏の約1450万人の生活を支え続けている。大津京遷都から1350年の歴史を持ち、最澄によって創建された、天台宗総本山の比叡山延暦寺、紫式部が源氏物語を起筆したといわれる石山寺、明智光秀の菩提寺である西教寺など、歴史上の名だたる人物に愛され、自然と人々の暮らしが調和した美しい水辺の風景の宝庫。びわ湖テラスや世界最大級の長さを誇るびわこ花噴水といったびわ湖の姿が一望できる風光明媚なスポットは観光客からの支持を集める。
びわ湖大津観光協会では、一昨年12月にSDGs探求学習プログラムを取り入れた「びわ湖大津SDGs教育旅行プログラム」を創設した。
■びわ湖大津SDGs教育旅行プログラム
恵まれた自然環境をフィールドにした大津での体験学習(現地学習)と、事前事後学習を組み合わせ、地域の課題解決に向けた自らのSDGsの取り組みについて考える。事前学習では、訪問先について調べるだけではなく、住んでいる地域の課題についても学ぶ。
現地学習では体験学習を通じ、大津市の課題や取り組みについて学ぶ。
そして、事後学習では、現地での体験を通じた気づきや学びから、地域に生かす自身のSDGsの取り組みについて考察。
■六つのテーマから選ぶ体験学習プログラム
びわ湖でのウォータースポーツ体験、伝統産業や自然体験などを(1)自然(2)歴史(3)環境(4)文化(5)産業(6)経済の学習テーマに分類。自分たちが体験するプログラムがどんな学びにつながるのかを分かりやすくイメージできる。
■プログラムごとに関連するSDGsゴールを設定
各プログラムがSDGs17の目標のどれに該当するか示すことで、日々の学習につなげやすくなると同時に、はじめてSDGsを学ぶ児童生徒向けに分かりやすく、学習教材(ワークシート)としても活用が見込める。
■滋賀県独自の取り組み琵琶湖版SDGs「MLGs(マザーレイクゴールズ)」、世界農業遺産「琵琶湖システム」
琵琶湖版SDGs「MLGs」や、世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」などの滋賀県ならではの取り組みを学び、地域活動の参考に活用する。
■びわ湖地引網体験
琵琶湖とともに生活をしてきた現地の漁師の指導のもと、漁業(地引網)を体験し、滋賀県での漁業の実情や、環境保全の取り組みについて調べる。
同時に、1次産業が環境に、どのような影響を与え、環境保全に向けて、どういった取り組みを実施しているか学ぶ。
■環境体験による琵琶湖の自然を学ぶ
カヌーで琵琶湖の環境で重要な役割を担っているヨシについて、カヌーに乗って水上でヨシ帯など水環境を観察することや、約20人で1艇のドラゴンボートに乗って力を合わせてこぎ進める。
さらに、ヨシのヨシ紙を用いた笛づくり(クラフト)を行うことで、自ら考えて行動する力、協調性や、人と自然のつながりを感じる力を養う。
■宿泊施設で実施するSDGs学習「マイプラ」
宿泊先で実施する出張型のSDGs講演プログラム。世界や地域のさまざまな問題と自分の生活の関連性について気づき、SDGsを「自分ゴト」として考えるための学習コンテンツ。
それ以外にも23のプログラムを設けたため、各校に合わせたモデルコースの提案が可能な点も特徴。
今後もびわ湖大津ならではの独自のプログラムを用意し、子どもたちに気づきやきっかけを与えていく。
公益社団法人びわ湖大津観光協会
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