岩手県沿岸北部に位置する田野畑村は、人口約3千人の農山漁村です。三陸復興国立公園に指定されている海岸線には、高さ200メートル前後の断崖が約8キロにわたり連なる北山崎や、弓状にえぐられた高さ200メートル前後の断崖が5列に連なる鵜の巣断崖などの景勝地を有しています。北山崎は、平成11年に公益財団法人日本交通公社が行った全国観光資源評価・海岸の部で、世界に誇示できる観光資源として、最高ランクの特A級に格付けされています。
田野畑村の豊かな自然の中に築かれてきた歴史や文化、漁業、農業、酪農、林業、観光と多彩な産業と人々の営み、そして大津波の教訓を胸に復興へ進む姿は、たくましさや生きる力を育むための良き教材です。体験プログラムの指導者は訪れる子供たちとの交流を大切にし、素顔と本音で真剣に向き合います。
■組織と教育訓練
体験村・たのはたネットワークがコーディネート組織として手配のワンストップ化を図り、田野畑村役場が後方支援をする官民一体の体制を整え、学校や旅行会社の目的や要望に対し迅速、柔軟に対応しています。プログラムの指導者や民泊家庭は定期的な研修を行い、漁船プログラムについては海上保安庁などとの連携訓練を実施し安全確保に努めています。
■民泊(ホームステイ)
約30軒の受け入れ家庭で約100人(人数によりホテル羅賀荘との交互宿泊による受け入れ体制となります)の受け入れが可能です。地域の人々が自然の恵みを共有し助け合ってきた営みを体験し、ふれあいを通じて豊かな心を育みます。
■宿泊ホテル
336人の収容能力を持つホテル羅賀荘は、宿を出るとすぐに体験現場というロケーション。隣接の屋内交流センターはセレモニーや体験プログラム、ワークショプなど多目的な活用が可能で、滞在中に効率的なプログラムを組めます。
■机浜番屋群
番屋とは漁師の作業小屋で、机浜番屋群は平成18年に「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選」に選ばれています。東日本大震災で流失しましたが、多くの方の支援で以前の面影を復元する形で再建されました。現在は漁師の拠点施設であるとともに、塩づくりや番屋料理などの体験ができる観光拠点にもなっています。
【お奨めプログラム】
◆サッパ船アドベンチャーズ 三陸地域の観光振興をけん引する体験プログラム。漁に使う小型漁船(サッパ船)に乗り、現役漁師の操縦で断崖直下や岩礁の間を縫うように航行する迫力満点のツアー。洋上や漁港での体験は、漁業の厳しさや漁師の知恵を伝えます。
◆大津波語り部 平成23年3月11日に村を襲った大津波は、住家や施設のみならず、多くの尊い命を奪い去りました。被災地だからこそ伝えなければならない、あの日この場所で起こったこと。そして13年の歳月の中で懸命に復旧・復興を続けてきたこと。当時を知るガイドから防災への備え、生きる力を学びます。
◆塩づくり体験 かつて三陸沿岸一帯で行われていた塩づくりを、昔ながらの製法で体験できます。大量の海水から生み出される塩の量はほんのわずか。歴史を学ぶことで、いかに塩が貴重であったかを実感できます。
NPO法人体験村・たのはたネットワーク 担当楠田・石井
〒028‐8402 岩手県下閉伊郡田野畑村北山129‐10
北山崎ビジターセンター内
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