【交通トレンド分析119】先入観でのターミナル間違いに注意 鳥海高太朗


 国内線では、羽田空港、成田空港、関西空港、中部空港の四つの空港で複数のターミナルが使用されている。そのような状況の中で、最近増えているのが先入観によるターミナル間違いである。

 特に成田空港では、三つのターミナルから国内線が発着している中で、第3ターミナル=LCC(格安航空会社)という先入観を持っていることから、昨年10月25日に第1ターミナル南ウイングに移転したことを知らずに、ターミナルへ向かう途中に気づくというケースも発生している。同様に中部空港においても、ピーチは第1ターミナルを使用している。逆に関西空港では、ピーチはLCC専用の第2ターミナルを利用するが、ジェットスター・ジャパンでは第1ターミナルを利用している。そして羽田空港で間違いやすいのがコードシェア便の利用ターミナルである。ANAとコードシェア便を実施しているAIRDOとソラシドエアは、ANA便と同じ第2ターミナルからの出発であることから特に問題はないが、間違いやすいのはスターフライヤー運航のANAコードシェア便である。以前はスターフライヤー運航便は、北九州行きと福岡行きは第1ターミナル、関西行きと山口宇部行きは第2ターミナルに分かれていたが、こちらも昨年になって全て第1ターミナル発着に変更された。逆に統一されたことで利便性は向上したが、私個人の感覚としては、ANA便名で購入した航空券で、スターフライヤーの関西空港行きが第2ターミナル発着という先入観を持っていたことで、関西空港から羽田空港に到着した際に、一瞬ではあったが何で第1ターミナルに到着しているのかと錯覚を起こしてしまったこともあった。特にANA便も飛んでいる重複路線では注意が必要ということなのだろう。

 そして国際線についても同様で、羽田空港においてANAは本来であれば第3ターミナル(旧国際線ターミナル)だけでなく、2020年春からは第2ターミナルからも多くの便を発着させることになっていたが、海外からの到着時に抗原検査などの入国手続きが必要になったことなどもあり、現時点においてはすべての国際線が第3ターミナルからの発着となっている。また私が先日訪れたパリにおいてもANA便の発着が従来の第1ターミナルから第2ターミナルに変更されていた。国際線においてはコロナ禍においてターミナル変更が頻繁に発生していることから、より注意が必要だ。

 どちらにしても事前にチケットに表示されているターミナルを確認しておくことを心がけよう。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 

 
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