オミクロン株を中心とした新型コロナウイルスの感染者数が、東京都内だけで見ても1日2万人を超える日が出ているなか、出張や親族訪問、単身赴任先との往復などで長距離移動をしなければならない状況も多い。
二つ前の本連載でも東京都民および沖縄県へ向かう乗客は無料でPCR検査ができることについて触れた。筆者自身も取材で陰性証明の提示を求められることも増え、取材で地方へ向かう前にもPCR検査を受けるようにしているが、記者仲間の共通認識は、羽田空港第1および第2ターミナルの木下グループ新型コロナPCR検査センターが最も早く結果が判明するということだ。
最近では検査結果が翌日に出るのは普通で、場合によっては翌々日になることも珍しくない。同じ木下グループのPCR検査センターでも都内の街中での検査では翌日以降になる旨が記載されているが、羽田空港だけは最短4時間で結果が出るのだ(当日午後3時までに検体を提出できれば当日中に結果が出る)。私も2週続けてPCR検査を受けたが、4時間半~5時間程度で2回ともにメールで結果が出た旨が通知され、専用ページからPDFで証明書をダウンロードできた。唾液でのPCR検査だけの場合は2千円(税込み)で検査できる。ただ、飛行機を利用する当日の場合はPCR検査のみの検査は認められず、30分程度で結果が出る綿棒を鼻に入れて検査する抗原定量検査(クイック検査)とのセットになり3300円(税込み)となる。また、抗原定量検査(クイック検査)だけ受けることも可能でその場合は1900円(税込み)。
現状、抗原検査は1日有効、PCR検査は72時間有効が一般的で、飛行機に乗るのであればセットで受け、当日飛行機に乗らないのであればPCR検査を予約するのがいいだろう。
羽田空港の検査センターはとにかくスピーディーであり、事前に予約は必須であるが、予約時間から大幅に遅れることなく検査が受けられるのも他の検査センターに比べての強みで、さらにターミナルビル内なので寒い外で並ぶこともない。上記の理由で飛行機に搭乗する有無に関係なく、旅行や出張へ出かける前、遠出はしないが仕事などで検査を受けなければならない時(発熱時、コロナの症状がある場合は検査が受けられない)、さらには不安な時などにPCR検査を受ける場合など、検査を受けるためだけに羽田空港を訪れる人が確実に増えている。
当日や翌日は予約枠が埋まっていることもあるので、予約開始の5日前に予約しておくと万全だ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)