今年の10月はJR東日本を使って旅行をする人が大きく増えそうだ。その理由は、鉄道開業150周年を記念してJR東日本が、JR東日本管内の新幹線や特急列車を3日間乗り放題で利用できる「鉄道開業150周年記念 JR東日本パス」を10月14日から27日までの間で発売することが発表されたからだ。
気になる価格は3日間乗り放題で、新幹線や特急列車の自由席は何度でも利用が可能、さらに指定席については4回まで使え、JR東日本以外でも、伊豆急行線や富士急行線なども使うことができて大人が2万2150円、小児が1万150円だ。基本的には東京から仙台を往復するだけで元が取れてしまうことになる。それでいて3日間乗り放題ということで、鉄道好きの人はもちろん、国内旅行が好きな人にとっても間違いなく魅力的な乗り放題パスといえる。
青春18きっぷをはじめ、最近では普通列車が乗り放題は時々発売されることがあるが、新幹線を含む特急列車まで乗り放題というのは珍しく、かなり大盤振る舞いの乗り放題パスであることは間違いない。そして、設定期間も14日間あることから、週末だけ見ても2回使うことが可能となっている。2回以上購入する人も多くいるだろう。
もちろん、周遊しながらJR東日本エリアを最大限巡る、ルートによってはJR東日本管轄の新幹線をすべて乗り倒すことすら可能であるが、それ以外にも毎日東京から日帰りで初日は新青森、2日目は新潟、3日目は長野というような使い方もできる。さらに、伊豆急行線も使えるので伊豆急下田まで足を伸ばすことや、富士急行線を使って河口湖へ足を伸ばすルートも考えられる。
ただ、旅行好きの人から既に声が上がっているのが、今回の乗り放題については普通車指定席が4回までしか利用できないということだ。4回自体は大きな問題ではないのだが、最近では新幹線「はやぶさ」「こまち」「はくたか」だけではなく、山形新幹線「つばさ」、在来線特急でも「あずさ」「かいじ」「成田エクスプレス」「ひたち」「ときわ」など全車指定席の列車が増えており、こういった列車を利用してしまうと必然的に指定席利用が1回になってしまうことから、どこで指定席を使うかというのも、ルートを作成する上では重要になってくる。
それでもこの乗り放題チケットはかなりお得であり、ブームになることは間違いなさそうだ。購入は駅の「みどりの窓口」ではなく、インターネット予約サービス「えきねっと」のみでの発売となる。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)