夏休みの沖縄のレンタカーが本当に深刻な状況になっている。6月の週末の時点ですでにレンタカー不足に陥っており、7月と8月はレンタカーが全く足りない状況になっている。
リゾートホテルや飛行機を予約してから、レンタカーを取るというのが従来は一般的であったが、現状では一番予約が大変なのがレンタカーとなっている。沖縄本島中部や北部のリゾートホテルに宿泊する場合には、レンタカーの利用が不可欠であり、実際にレンタカーの予約ができないことで、ホテルをキャンセルしているケースも出ている。
これほどまでにレンタカーが不足している要因というのは、すでに各メディアでも報じられているが、コロナ禍でレンタカーの保有台数を各レンタカー会社が減らしてしまったことにある。レンタカーの関係者に話を聞くと、コロナ前は沖縄本島で約3万台あったレンタカーが現在は約1万5千台まで減少してしまっている。
レンタカーの保有台数をこれからのタイミングで増やそうとしても、半導体不足の影響で新車が足りず、中古車市場も価格が上昇している。加えて、今後再びパンデミックが起こるリスクがあることから、一気に保有台数を増やすことは現実的に不可能となっている。
コロナ禍において、観光業界における国の支援は限定的であり、レンタカー会社にとっても会社を維持していくために保有していた車を売却せざるを得なかった。そのつけが、国内旅行が復活しつつある今、レンタカー不足に陥っている。レンタカー不足になることは当然であり、アフターコロナを見据えた戦略を国として取っていなかったことも大きい。
沖縄が最もレンタカーの予約が厳しい状況になっているが、北海道もコロナ前に比べてレンタカーの価格が高騰している。予算オーバーになる可能性もあるなかで、しばらくの間は、まずはレンタカーの予約を最優先にして、その後にホテルや飛行機を予約するのがベストになるだろう。
短時間の利用であれば、タイムズカーシェアなどのカーシェアサービスを活用する方法もある。レンタカーに比べると予約できる確率は高くなるが、それでも沖縄などでは早めの予約が必要になるだろう。まずは会員になっておくことをおすすめしたい。また、移動だけであれば、タクシーの利用も含めて考えてみてはいかがだろうか。
今年の夏については、レンタカー不足を避けることが難しいことは間違いない。沖縄の観光にも影響が出ることが必至だ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)