【交通トレンド分析198】東北・上越新幹線の復刻車両はメロディも当時のもの 鳥海高太朗


 先日、東京駅から宇都宮駅まで東北新幹線「やまびこ」を利用した。東京駅のホームに上がると、今では見られない、東北・上越新幹線では昔はほぼ全て車両で採用されていたクリーム色の車体に緑のラインが入ったカラーの新幹線が停車していた。当時は「200系」の新幹線として、1982年から2013年まで使われていたのを昨年(22年)6月に東北新幹線開業40周年を記念して現在運行している「E2系」の新幹線を車体だけ塗り直す形で復刻したのだ。最近では、車両全体が緑色で主に東京―新函館北斗間を結んでいる東北・北海道新幹線「はやぶさ」に主に投入されている「E5系」、さらに今回、復刻車両と同じ「やまびこ」などを中心に使われている「E2系」(白い車体にピンクの線が入っているのが特徴)が中心。

 200系の当時の思い出としては、2名掛けは回転できるが、3名掛けは固定式で、車両の真ん中で進行方向を向く席と逆向きの席が存在していたのがとても懐かしい。今回の復刻車両では「E2系」なので3人掛けも全席回転できる。

 実際に利用して特にうれしかったのが各駅を発車後もしくは到着直前に流れる「ふるさとチャイム」と呼ばれるご当地チャイムである。歌の名前までは覚えていないが、停車駅ごとに異なるチャイムは何とも言えない旅行気分にさせてくれた。私は東京駅から宇都宮駅までと乗車時間が少なかったが、それでも東京、上野、大宮、宇都宮の「ふるさとチャイム」を聞くことができた。緑色の懐かしい車体と同じくらいのうれしさと懐かしさがあった。

 ご当地チャイムは、聞けば懐かしいということになるが、恐らく昔は到着前のチャイムを聞いて、自分の目的地の駅に到着することを実感した人もいたことが想定されるが、個人的には今使われても全く違和感がないと感じた。

 車内でのチャイムといえば今回、東海道新幹線(JR東海)では車内チャイムを7月21日から長年親しまれてきたTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」からUAの「会いにいこう」に変更される。列車内のチャイムは長期間使われる傾向にあり、「AMBITIOUS JAPAN!」も2003年から使われ、今回20年ぶりのリニューアルとなる。楽曲は既にCMなどで使われているが、どんなメロディになるのか楽しみでもある。1年たてば、慣れることになると思うが、「AMBITIOUS JAPAN!」も10年か20年後に復刻してほしい。

 今回の東北・上越新幹線の復刻車両は懐かしさも含めて機会があればぜひ利用していただきたい。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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