今年のゴールデンウイークは新元号「令和」に改元されることもあり10連休という過去にない大型連休となる。
航空会社各社は4月19日に予約状況について発表した。4月26日~5月6日における予約数が、前年比でANAでは国内線で119%、国際線で104.6%、JALでは国内線で126.2%、国際線で107.3%となった。予約率も国内線、国際線共に8割を超える。特に国内線の伸びが際立ち、ピークとなる期間が長いのも今年ならではの傾向だ。
長期休暇ということで日本人の海外旅行が大きく伸びていることは事実だが国際線の伸びは5%程度であるが、取材を進めていると日本発のアウトバウンドは好調の一方、海外からのインバウンドは、ゴールデンウイーク期間中あまり伸びていないようだ。
その理由として、航空券代、ホテル代が高騰している点も影響しているようだ。例年、GW期間中の航空券価格は高騰するが、今年はさらに2~3割高騰しており、日本発ハワイ往復エコノミークラス40万円超えの航空券も出ている。インバウンド比率が多い東アジアや東南アジア諸国からも日本発の需要が多いことから航空券価格が高騰している。LCC(格安航空会社)も料金がアップしている。
とはいえ、ゴールデンウイーク中に桜の見頃を迎える弘前をはじめ、4月の訪日目的のトップである桜の花見を目的に東北・北海道方面へ向かう訪日旅行者も多いが、そこで問題となるのが国内移動だ。日本を訪れたとしても1都市滞在であればいいが、国内を周遊する場合においては特に国内線の航空券が高騰し、ホテル代も含めた旅行代金が高くなることでこの時期を避けてしまうケースも出ている。
ホテルについても、沖縄や北海道をはじめ人気観光地のホテルやリゾートホテルの価格が上昇していることはもちろん、それ以前に満室で予約も入らないことで旅行代金に関係なく日本旅行自体を諦める場合もある。
結果、訪日旅行客が昨年に比べて減少する可能性があり、実際に東京、大阪、名古屋など都市部のビジネスホテルを中心に空室を見つけることができた。
日本人の旅行動向においては、早い段階で海外旅行を予約して海外へ出かける人が多い一方、国内線や新幹線の予約状況が好調な理由として、10日間の連休の間に宿泊を伴う国内旅行に2回以上出かける人も多いようだ。
当然ながら日帰り旅行をする人も多く、空も新幹線も高速道路も10日間ずっと混み合うなど、これまでにないゴールデンウイークになりそうだ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)