【交通トレンド分析215】京成電鉄はインバウンドで混雑 鳥海高太朗


 10月22日(日)の午後、私はハワイから帰国して成田空港に到着した。到着して入国審査へ向かう段階において、外国人のレーンには長い行列ができていたが、それ以上に驚いたのが電車の混雑。私は16時ごろの京成スカイライナーに成田空港駅から乗車をしたが、特に驚いたのは始発駅の成田空港駅を出て、次の駅の空港第2ビル駅でものすごい数の人が乗車してきたのであった。

 成田空港には二つの駅があり、第1ターミナルを利用する場合には始発駅となる成田空港駅、第2ターミナルと第3ターミナルを利用する場合には空港第2ビル駅を利用するが、私の肌感覚ではあるが、インバウンド(訪日外国人観光客)については間違いなく空港第2ビル駅の利用の方が多い。

 成田空港駅と空港第2ビル駅は共に、スカイライナーおよびアクセス特急(成田スカイアクセス線)のホームと京成本線のホームに分かれているが、成田スカイアクセス線のホームには大きなスーツケースを持った外国人観光客を中心に人であふれていた。私が乗車するスカイライナーのすぐ後にアクセス特急が続くこと、さらに午後から夕方にかけては到着便のラッシュもあり、より利用者が多い状況であった。

 そんな中で私が成田空港駅から乗車していたスカイライナーにも空港第2ビル駅でたくさんの人が乗車するが、車内に入ってすぐのところに大きなスーツケースなどを置く収納スペースに荷物を置くのに時間を要するケースが多発し、乗車を完了するだけでも時間を要していた。本来の停車時間は1分程度であるが、全員が乗車するまで結局5分弱の時間を要し、空港第2ビル駅を4分近く遅れて発車したのであった。

 最近の傾向として外国人観光客は、日本人と比べて滞在日数が長いことも含めて荷物が大型化している傾向にある。実際に東海道新幹線でも「特大荷物スペース」付きの指定席が販売されている。もっとスムーズに乗車できる方法については考えなければならないが、それ以上に大変なのは通常車両を使った「アクセス特急」。通常車両では荷物を置くスペースがなく基本的には席の前に荷物を置くことになる。途中駅で乗車してくる人のことを考えると、かなり手狭になってしまっている状況にある。

 すでにスカイライナーは日中時間帯20分に1本と本数が多いが、アクセス特急は1時間に1本程度とまだまだ本数が少ない。ホームの問題などもあるが、アクセス特急の日中時間帯1時間2本化も考える時期に来ているのではないかと思った。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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