【交通トレンド分析228】「Air Japan」でバンコクへ飛んだ 鳥海高太朗


 2月9日にANAグループの国際線新ブランド「AirJapan」が成田―バンコク線で運航を開始した。フルサービスキャリアの快適性とLCC(格安航空会社)の価格の安さの両方を兼ね備えた航空会社で、ANAグループでは、フルサービスキャリアのANA(全日本空輸)、LCCのピーチに次ぐ第3のブランドとして誕生した航空会社で、成田―バンコク線に続いて、2月22日には成田―ソウル線、4月26日には成田―シンガポール線を就航する。運賃も空席連動ではあるが、フルサービスキャリアの半額程度であることが多い。私も2月9日の記念すべき就航初便の成田発バンコク行きで搭乗取材をしているが、フルサービスキャリアの快適性という部分では、シートがとても快適だった。

 AirJapanが使用するボーイング787―8型機は、これまでANA国際線として活躍した機材でビジネスクラス42席、エコノミークラス198席の合計240席仕様だったものを全席エコノミークラスにしたほか、機体の真ん中から後方あたりにあった機内食などを収容しているギャレーを取っ払い、その部分を座席にしたことで324席仕様となった。快適度に大きな影響を与えるシートピッチ(シートの前後間隔)はフルサービスキャリアに近い約81センチを実現したことで足元は窮屈でなかった。

 一番気になる座り心地は、体とフィットするシートになっており、長時間フライトでも疲れにくいシートであることを実感した。成田からバンコクまでは約7時間のフライトもあまりお尻が痛くなかったというのが印象的だった。リクライニング機能もあるなど、想像以上にシートの完成度が高かった。

 もちろん低価格を武器にしていることから、フルサービスキャリアとの違いもある。フルサービスキャリアでは当たり前のシートモニターはなく、基本的には持参したスマートフォンやタブレットなどに事前にダウンロードしておくか、もしくは機内に搭載されているエンターテインメントのコンテンツを機内Wi―Fiに接続して楽しむことができる。機内コンテンツの利用は無料であるが、インターネットサービス接続は有料となる。機内食や座席指定なども全て有料になっており、一番人気の親子丼を事前注文して食べたが、食事のレベルも高く、おいしく食べることができた。

 必要なものに対して追加料金を払うLCCスタイルも採用しつつも、フライト時間が長いフライトで一番重要なのはシートであり、今回のフライトではシートの快適性を実感できたのであった。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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