【交通トレンド分析230】北陸への観光客が回復傾向に 鳥海高太朗


 3連休初日の2月23日(金・祝)に、私は前回の連載で紹介した東京都区内から金沢を含めた北陸フリーエリアまでの往復新幹線(往路は指定席、復路は普通席)および北陸フリーエリア内が最大4日間乗り放題となるJR東日本「北陸応援フリーきっぷ」(2万円)を購入し、金沢へ向かった。

 元旦の能登半島沖地震以降、北陸を訪れる観光客が激減していたが、3連休初日は午前中の北陸新幹線「かがやき」「はくたか」は指定席が全て売り切れになっていた。私自身も3連休直前にチケットを手配したが、何とか1席だけ空いていた東京駅6時16分発の始発の「かがやき501号」の指定席を確保することができたが、当日、東京駅から乗車すると全車指定席の「かがやき」に立席特急券で立って移動する人の姿も一定数見られた。

 さらに私が乗車した始発の「かがやき」の次に発車した東京駅6時28分発の「はくたか551号」には自由席の設定があるが、自由席は東京駅発車時点で立席になっており、途中駅での乗り降りに時間を要し、遅れが発生していたとのことだ。

 私の乗車していた「かがやき」でもそうだったが、富山や金沢など北陸へ向かう人も多くいる一方で、途中停車駅の長野駅で降りる人も多かった。その多くがスキー場へ向かう人でスノーボードやスキーの板を車内に持ち込んで乗車している人の姿も多く見られたほか、家族連れも非常に多かったのが印象的であった。

 以前に比べると日本人のスキー・スノーボード人口は減少傾向にあり、インバウンド(訪日外国人観光客)でにぎわっているスキー場も多いが、2月でベストシーズンの3連休ということもあって、私が乗車した新幹線では日本人の乗車が目立っていた。

 話は北陸に戻るが、長野駅以遠も多くの人が富山、金沢へ移動しており、金沢駅に到着すると改札口も多くの人でにぎわっていた。元旦以降、観光客が激減していたが、間違いなく地震以降で観光客が多く集まっていただろう。

 この日は金沢、福井、富山と巡ったが、震災の被害を自分の目で感じることは一度もなく、いつも通りの北陸の姿があった。

 3月から北陸4県(石川県、福井県、富山県、新潟県)で政府の旅行支援策「北陸応援割」を実施することが発表されるなど、北陸応援モードになってきた。私が利用した「北陸応援フリーきっぷ」も旅に出かけるきっかけにもなったが、北陸応援割が始まることで春休みも含めて北陸を訪れる人が増えそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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