【交通トレンド分析233】北陸新幹線敦賀延伸の一番列車 鳥海高太朗


 北陸新幹線は3月16日(土)に金沢―敦賀間が開業し、石川県内には小松、加賀温泉の2駅、福井県内には芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の4駅が新たに新幹線停車駅となった。私は今回、記念すべき東京駅からの一番列車となる「かがやき501号」に乗車することができた。

 チケットは1カ月前の2月16日に発売で、この日は宮崎に出張中で、午前9時45分にホテル近くのJR宮崎駅へ向かい、午前10時の発売と同時に「みどりの窓口」で一番列車のチケットを入手できた。福井県内、石川県内、首都圏などでは駅によっては長い列ができていたが、離れた宮崎では、ほぼ並ばずに駅員の方に端末を操作していただき、幸運なことにグリーン車よりもさらに上の軽食の提供やアルコール類を含むドリンクが飲み放題の「グランクラス」で予約できた。

 開業初日、東京駅の発車は朝6時16分発で、朝5時半過ぎに東京駅に到着し、ホームへ向かった。既に「かがやき501号」は入線し、出発案内版に「敦賀」が初めて表示された。列車をバックに私も写真撮影などをして、最前方の12号車のグランクラスに乗車した。

 セレモニーは最後方の1号車付近で石川県出身の浜辺美波さんがゲストで行われていたが、最前方の私は見ることができなかったが、気持ちは高揚しながら東京駅を発車した。この日はグランクラスの乗客には、アテンダントの方から手書きのメッセージカードが配られた。

 私は到着後に福井のテレビ局の新幹線特番への出演があるのでお酒は控えたが、この日は車内で提供される日本酒も福井のお酒が提供され、軽食(和食、洋食から選べる)やドリンク、お菓子などを楽しみながら、いよいよ金沢駅から真新しい開業区間に入った。今まで特急「サンダーバード」などで乗車していた区間だが、一番の違いは、新幹線は高架上を走ることから見える景色が上からの目線となり、さらにスピードが早いことで新幹線開業を実感した。金沢からの延伸区間では沿線から手を振る光景が見られ、まさにお祭りであった。あっという間に東京駅発車から3時間18分後の朝9時34分に敦賀駅に到着した。今回下車した敦賀駅、福井駅共に多くの人でにぎわっていた。福井県にこれだけの人が集まっているのも福井県民も驚いており、福井では「100年に一度のチャンス」と言われ、経済効果を期待している。

 乗り換えが不要で首都圏から1本でつながったことは大きく、これから福井を訪れる観光客が増えることになりそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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