【交通トレンド分析240】GW、「こだま」の自由席は強かった 鳥海高太朗


 ゴールデンウイークは全国的にも天候に恵まれ、また昨年は5類になる直前で、新型コロナウイルスに対する警戒感もあったが、今年は警戒感もなくなったことで、昨年と比べても、全国各地で多くの人が外に出て、思い思いに楽しんでいた光景が見られた。新幹線もゴールデンウイーク期間中は混雑が見られ、東海道・山陽新幹線「のぞみ」は全車指定席となったが、年末年始同様に「ひかり」の自由席車両に利用者が殺到し、ピーク日には通路も含めて立っている人で埋め尽くされた列車もあった。

 私自身はゴールデンウイーク最終日の5月6日(月)にレギュラーで出演しているニュース番組のコメンテーターの仕事で東京から静岡へ向かった。午後2時過ぎの東京駅から静岡駅までの「ひかり」はいつもに比べると混雑していたが、自由席で座ることができ、途中の品川や新横浜駅でも全員着席できていた。

 しかし、問題は帰りの静岡から東京へ戻る上りである。私はいつも利用当日に静岡から東京へ戻る指定席を購入するのだが、当日の朝に空席を確認したところ、静岡駅から東京への新幹線は「ひかり」「こだま」共に指定席、グリーン車共に満席で、かろうじて夜10時過ぎの「ひかり」の指定席は確保できたが、自分が希望する18時台の新幹線は全く取れない状況だった。最終手段は「こだま」の自由席だと思っていたので、最終的に指定席は確保できなかったことから静岡18時25分発の「こだま740号」で東京へ向かうことにした。

 通常は10両ある自由席だが、繁忙期は最大2両減って、私が乗車した「こだま」も8両の設定であったが、前方の15号車で通路側だったが問題なく着席することができた。静岡での仕事後にいつも乗車している18時41分発の「ひかり516号」は静岡駅でのアナウンスでは名古屋駅発車時点で自由席は140%の乗車率とのことで、自由席に乗られる方は「こだま」に乗車してほしいというアナウンスも流れた。名古屋駅発車後はさらに浜松駅に停車することもあり、さらに乗車率は高くなっていたと考えられる。やはり「のぞみ」全車指定席の影響は確実に「ひかり」の混雑につながっていることは明確だった。

 「こだま」の自由席も最終的には三島駅で満席となり、熱海駅や小田原駅で乗車した人の一部が立席になったが、立っている人はわずかであり、やはり繁忙期でも「こだま」であれば、ほぼ座れることは事実であった。

 これからも繁忙期の「こだま」は重宝することになりそうだ。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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