【交通トレンド分析241】「JRE BANKは旅行好きの人は入って損はなさそう」 鳥海高太朗


 今、鉄道業界で最もホットな話題と言ってもいいのが、JR東日本が新たに立ち上げた銀行「JRE BANK」。残高やJR東日本のクレジットカード「ビューカード」の口座引き落とし、給与や年金口座の受け取りなどに設定することで、年間最大10枚のJR東日本が全線で4割引になる「JRE BANK優待割引券」をはじめ、普通列車グリーン車に乗れるSuicaグリーン券(モバイルSuica限定)も最大4枚もらえるなど、年会費は無料であることから、JR東日本を利用する機会が多い人で、50万円以上の残高を判定日に確保できるのであれば、現時点では入って損はないカードだと思う。

 申し込み受け付けは5月9日からであったが、初日から申し込みが殺到し、1日の上限に達した段階で申し込み受け付けが終了となった(翌日午前1時から再開)。私の記憶だと、5月9日の初日は20時前後、翌日の10日は午前10時過ぎに当日の受け付けが終了するほどの人気となった。記事執筆時点では解消されているが、カード発行に時間がかかっている模様だ。

 私自身は受け付け開始2日目の5月10日に申し込み手続きを済ませたこともあり、5月19日にはキャッシュカード一体型の「JRE BANKデビット」が自宅に届いた。銀行口座としての機能と残高の範囲でJCBカード加盟店での利用ができる「JCBデビット」の機能が組み込まれているカードとなっている。

 もし入会するのであれば、基準日(「JRE BANK優待割引券」は2回、「Suicaグリーン券」は4回)に預金残高(資産残高)50万円以上で、JR東日本のクレジットカード「ビューカード」の利用代金の引落先にしたいところだ。もし「ビューカード」を持っていなければ、これから作るのもありだろう。

 年会費は最もスタンダードな「ビュー・スイカ」で年間524円。指定された期間に口座引き落としがあり、基準日に50万円以上の残高があれば、40%引きのJRE BANK優待割引券を年間2枚、Suicaグリーン券を年間4枚もらえるのだ。もし給与振り込みや年金などの受け取り口座に指定することができれば、JRE BANK優待割引券は年間6枚になる。

 ちなみに銀行名はJRE BANKではなく、実際は銀行業務を行う「楽天銀行」となり、支店名は「JREはやぶさ支店」「JREとき支店」「JREこまち支店」のいずれかになる。なので給与振り込みを変える場合の銀行名も「楽天銀行」となる。若干の手間はかかるが、メリットが大きいJRE BANKは台風の目になりそうだ。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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