【交通トレンド分析245】スカイマークの「フォワードシート」 鳥海高太朗


 スカイマークは、現在は国内線のみの運航で、LCCと異なり座席指定料金も不要で、予約の段階で好きな席を座席指定できるが、最前列は「フォワードシート」という名称で、空港で空席がある場合に千円(消費税込み)の追加料金で利用可能なシートとなっている。スカイマークによると最前列は他の座席に比べて19~38センチ足元が広くなっているとのことで、前の人を気にせずに快適に過ごすことができる。

 事前予約はスカイマークの空港カウンターにおいて可能とのことだが、ネット上や電話予約センターではできないことだが、多くの人は利用当日に空港でチェックインをする際に空席がある場合に追加料金を支払っている。リピーターの利用も多く、私自身もその1人である。

 実はこのフォワードシートは最前列に座れる以外にも特典があり、まずは飛行機への搭乗時において優先搭乗が可能であり、最初に搭乗することができるほか、機内ではスカイマーク機内で有料販売している100~200円のお菓子を一つ無料でもらえる。

 私も6月上旬に下地島空港から神戸空港まで利用した際にチェックイン時にフォワードシートに空席があったことから利用した際は、兵庫県神戸のおすすめの「鶯ボール」、愛知県小牧のおすすめの「ミニしるこサンド」、鹿児島県奄美大島おすすめの「まめぼっくり」、そして茨城県のおすすめの「茨城名物 そら飛ぶほしいも スカイも」の就航地にちなんだお菓子の中から一つを選べるようになっていた。

 またスカイマークは、今年3月からドリンクサービスをリニューアルし、ホットコーヒー、日本茶(茨城県のさしま茶)、アップルジュースの3種類が全席無料で提供される(一部の短距離路線を除く)。

 さらに個人的にありがたかったのが預けた手荷物の優先返却。大手航空会社ではマイレージプログラムの上級会員、ANAでは「プレミアムクラス」、JALでは「国内線ファーストクラス」利用時など「Priority」のタグ(最近では印字するケースも多い)が付けられるが、スカイマークでもフォワードシート利用者に対して、「Priority」のタグが付けられたことで、到着後もスムーズに荷物を受け取ることができた。

 座るシートは同じだが、優先搭乗ができて、足元が広く、お菓子が付いて、さらに荷物の優先引き渡しのサービスが受けられて千円の追加料金はコストパフォーマンスはよく、状況に応じて活用することでワンランク上の飛行機旅を楽しむことができるのだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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