【交通トレンド分析247】沖縄本島のレンタカー不足がほぼ解消 鳥海高太朗


 6月29日(土)から7月1日(月)まで2泊3日で沖縄本島を訪れた。今回、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)が設立70周年を迎え、7月1日に70周年の記念式典に基調講演の機会を頂戴し、講演2日前に那覇空港に到着した。沖縄地方は6月20日(木)に梅雨明けしたとみられると発表され、梅雨明け以降は好天に恵まれ、私が滞在した3日間全てで天気が良かった。7月に入り、沖縄も本格的な観光シーズンに突入した。

 沖縄への旅行において、多くの観光客が利用するのが「レンタカー」。コロナ前は繁忙期については値段が高いこともあったが、借りられないことはほとんどなかったと記憶している。しかし、2020年4月に緊急事態宣言が発令され、沖縄のレンタカーは利用者が皆無となり、空車だらけとなった。先行きが見通せない中、レンタカー各社は保有台数を減らす決断をし、レンタカー車両を売却することで、コロナ禍で厳しくなった資金繰りに充てたケースも多く見られた。最も少ない時期にはコロナ前の半分以下の2万台を下回った。

 しかし、海外旅行は入国制限の影響で行くことができない状況が長く続いた一方、国内旅行は県を跨いだ旅行の制限もなくなり、日を追うごとに日本人の沖縄への国内旅行は回復に転じた。

 特にこれまで定期的に海外旅行へ出かけていた人の中には、海外旅行に行けない代わりに沖縄の高級リゾートホテルに宿泊する旅行者も多く見られたほか、「密」を避ける意味で、これまで以上にレンタカー需要が高まった。

 しかし、レンタカーの需要が全く追いつかず、沖縄の全てのレンタカー店の在庫がなくなり、ホテルや飛行機の予約は済んだのに、レンタカーが取れずに旅行を取りやめたケースも発生した。レンタカーが予約できても、中には1日3万円以上ということもあった。レンタカー不足については昨年の夏でも見られたが、今年は様子が違う。

 23年度の沖縄県内でのレンタカー登録車数が5万台を超えた。実際にレンタカーの価格をチェックしていても、昨年に比べると選択肢が増え、コロナ前に比べると料金的にはまだ割高な日も多いが、昨年よりは確実に安くて、かなり取りやすくなったと言える。

 最近では那覇との直行便が最も多い台湾など外国人の沖縄のレンタカー需要も増え、来年夏には新しいテーマパーク「ジャングリア」の開業も控えることで、さらにレンタカー需要が高まりそうだが、今年の夏は工夫すればレンタカーは確保できそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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