【交通トレンド分析258】ターミナル前からカーシェアが利用できる空港が増加 鳥海高太朗


 今、地方を中心に2次交通の充実がいわれている中で、筆者が一番注目しているのが「カーシェア」である。一言で言えば、レンタサイクルの車版と言う認識だ。

 レンタカーとの大きな違いは、最大手のパーク24が展開する「タイムズカーシェア」で見ると、会員制で登録を済ませて予約をすることで、スマートフォン(スマホ)アプリもしくはICカードで鍵の開閉が可能で、レンタカー会社のスタッフなど人による対応は不要。ガソリン代込みで15分当たり220円での利用が可能となっている。

 長時間利用の場合は別途セット料金が設定されているが、レンタカーで必要なガソリンの満タン返しは不要で、ガソリン代もカーシェアの料金に含まれている。車の中に給油カードがあり、ガソリン残量が少ない場合に給油カードで給油をすることで30分の利用代金が割引される。

 最近では車を持たずにカーシェアで車に乗る人も増えているが、筆者のように自宅に車はあるが、旅先もしくは出張先でカーシェアを使うケースも多い。最近は地方空港のターミナル前にカーシェアのステーションを設置している空港が増えている。

 筆者も伊丹や小松、広島、熊本の各空港などで利用しているが、レンタカー会社のオフィスに寄らずに、ターミナル前の駐車場などから利用可能で、特に日帰り旅行や出張など短時間利用の際に重宝している。手続きも全てスマホなどで完結するが、筆者が利用したなかで小松空港などは到着ロビーを出て、右に進んで外に出るとすぐに乗車可能で、到着ロビーを出て5分以内で空港を出発することが実際にできた。返却に要する時間が圧倒的に短く、ターミナルに近い駐車場で返却可能であれば国内線の便出発45分前くらいに到着しても問題はない。

 また、都市部の空港でカーシェアの利便性が高いのが伊丹空港で、大阪モノレールの大阪空港駅の真下くらいから乗車可能で非常に便利だ。大阪市内などを効率的に巡りたいときなどタクシー利用よりも便利なこともある。普段使っている自分のETCカードも利用できる。一部空港では借りたステーション以外での乗り捨ても可能だが、借りたところで返却するのが原則だ。

 9月25日に島根県の萩・石見空港を訪れたが、同日からタイムズカーシェア2台が使えるようになったが(中国地方におけるカーシェアリング社会実験として)、利便性で無人化できるカーシェアと有人型のレンタカーを上手に組み合わせるのが、地方空港の望ましい姿だろう。
 
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒