【交通トレンド分析27】スカイマーク、1年半ぶりにサイパン直行便 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 デルタ航空がサイパンからの路線から撤退したのが2018年のゴールデンウイークだったが、約1年半の空白期間を経て、スカイマークが同社初の国際線として、成田―サイパン線を11月29日から毎日1往復で運航することを発表し、11月1日から航空券の販売を開始している。

 スカイマークは、ボーイング737―800型機のみを保有しており、成田―サイパン線も国内線と同じ機材での運航となり、177席仕様となっている。時間帯も日本からの旅行者にとって便利な時間帯となっており、成田発は午前10時15分発(サイパンに15時到着)、サイパン発は16時35分発(成田に19時30分到着)となっている。土曜日のサイパン発便のみ30分遅い発着となる。

 国際線ではフルサービスキャリアは基本的に往復での販売、LCC(格安航空会社)では片道での販売が基本となるが、スカイマークでは国内線と同じ運賃名で片道単位で販売されることが明らかになった。キャンペーン運賃を除くと、運賃は「普通運賃」「たす得」「いま得」の3種類で、普通運賃は片道10万円(12月27日~1月5日の年末年始は12万円)となっているが、「たす得」が片道1万2600~8万1千円、「いま得」が片道8600~7万7千円に設定され、空席に応じて運賃が上下することになる。

 また燃油サーチャージも設定され、来年1月末までの発券分については片道あたり3千円となる。就航記念のキャンペーン運賃は片道3800円で設定されているが、年間を通じて設定されている運賃の中で最も安い「いま得」が片道8600円からの設定となっていることで、燃油サーチャージ込み往復3万円弱で買えるのであれば、気軽にいけるビーチリゾートとして再びサイパンを訪れる人が増えることになるだろう。

 スカイマークによると、同社のホームページでの直販に加えて、旅行会社が販売するパッケージツアーの準備も進められており、ホテルとセットでお得なツアーが出てくる可能性も高い。既にサイパンへのチャーター便運航の実績もあることから、その流れで商品が販売されるだろう。

 今回、運賃設定はLCCのような片道単位の航空券販売でありながらも、機内食の無料提供、荷物も1個あたり23キロまでの荷物を2個まで無料で預けられるなど、フルサービスキャリアとほぼ同等のサービスを提供する。シートテレビのサービスがないくらいの違いだろう。1日1往復で繁忙期はすぐに満席になるだろうが、閑散期も高い搭乗率を確保できるのか、スカイマークの国際線がいよいよスタートする。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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