【交通トレンド分析271】元旦はANA・JALの上級会員を目指す人にとってスタートの日 鳥海高太朗


 元旦の朝は、ANAやJALなど日本の航空会社のマイレージ会員で上級会員を目指す人にとって毎年スタートの日となる。

 ANAのマイレージプログラム「ANAマイレージクラブ」、JALのマイレージプログラム「JALマイレージバンク」では毎年、1月~12月の1年間の搭乗実績によって翌年4月~翌々年3月までの1年間の上級会員のステイタス(ランク)が決まる。「マイレージ修行」という言葉も、マイルに興味がある人にとっては浸透しつつある言葉であるが、マイル自体は原則36カ月間の有効期限があるので年末で一気に減ることはないが、上級会員になるための基準となるANA「プレミアムポイント」、JAL「FLY ONポイント」は前年にどれだけ飛行機を利用しても元旦にはリセットされて、全員「0ポイント」からのスタートとなる。

 出張などが多くて意図せずに上級会員に到達するケースは恵まれているが、それ以外の人で上級会員を目指す人は、毎年目標のポイント数を年末年始の期間に決める人が多い。5万ポイント、8万ポイント、10万ポイント、15万ポイントなどポイント数が多いほど、翌年に多くの特典(特にANAでは「ダイヤモンド」、JALでは「JGCプレミア」もしくは「ダイヤモンド」になるとエコノミークラス利用時でもファーストクラスラウンジが使える)を受けることができるが、その年の旅行スタイルや出張の回数、そして最も重要な航空券に費やすコストがどのくらいになるのかを考えて目標ポイント(JALの場合は搭乗回数という選択肢もある)を決めることになる。

 冒頭に話が戻るが、私自身はANAで昨年12月前半の時点で目標にしていたポイント数に到達したことで今年4月からも現在のステイタスを維持できることになったが、元旦にANAのアプリを開くと「プレミアムポイント」は0の表示に。少し寂しい気分になり、またここから今年の飛行機旅が始まるのだ。

 幸いにも1月2日に羽田↓伊丹線を利用して今年最初のポイントを獲得することができたが、今年も目標ポイント達成へ向けて飛行機を利用することになる。ポイント付与はマイル同様に利用する運賃によって積算率が異なり、自分の旅行や出張などでどのくらいたまるのかシミュレーションをしながら、足りない分をどうやって費用対ポイントが高い航空券で旅をするのかを真剣に考えることになる。旅行ではなくポイント獲得目当てだけに飛行機に乗り続ける人も今や珍しくなくなったが、2025年も上級会員になるための飛行機旅がスタートした。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)


(観光経済新聞1月13日号掲載コラム)

 
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