昨年末から今年1月にかけて、福井、金沢、富山の北陸3県に出かける機会が多く、特に今年1月8日にはニューヨーク・タイムズ「今年行くべき場所52カ所」に富山市が選ばれたことで、富山には1月だけでも2回訪れる機会があった。
最近の北陸新幹線は、平日・休日問わず、特に停車駅の少ない「かがやき」を中心に指定席が満席に近いことがほとんどで、年間を通じての乗車率も高い印象だ。昨年3月に金沢―敦賀が延伸したことにより、富山―敦賀間の利用も増えている。
常に混んでいることが多い北陸新幹線であるが、1月のある日曜日の午後に富山での取材・調査を終えて東京へ戻る際に当初、16時17分発の「かがやき510号」東京行きの指定席を予約していたが、当日の午前中に予約したのだが、かなり混雑しており、JR東日本のインターネット予約「えきねっと」でシートマップを確認したところ、2席並んで取れる場所はないくらいの混雑であった。
しかしながら、富山での予定が1時間ほど早く終わり、少し早めの新幹線に乗れることになり、「えきねっと」から変更をしようとしたところ、大宮乗り換え(「かがやき」⇒「とき」)という表示が出てきたのであった。何で東京駅まで乗り換えなしでないのか疑問に思い、乗換案内のサイトで確認してみたところ、富山駅15時23分発「かがやき」上野行き(金沢始発)という行き先になっていた。そして予約画面からシートマップを見ると、3人掛けのA席・B席・C席が全て空いているところも多く、今回は1人利用でA席を予約した。結果的に富山駅から大宮駅まで途中で隣には誰も来なかったことから、かなり快適な移動ができたのであった。
ここからは私自身の推測であるが、新幹線で東京駅まで乗車したい人は乗り換えなしの列車を選ぶ人がほとんどで、大宮駅・上野駅で下車する利用者が中心で、空席が他の列車に比べて多かった可能性が高かったようだ。新幹線のルールでは改札口を出なければ、乗り換えがあっても同じ料金設定になっており、富山駅から大宮駅で後続の東京行きの別の新幹線に乗り換えでも値段は変わらないので、乗り換えの手間はあるが、快適度を考えれば、この選択は正解だったと思う。
ただ、個人的には地下ホームで寒くない上野駅で乗り換えをしたかったが、「えきねっと」のアプリでは大宮乗り換えしか表示されなかった。上野発着の臨時新幹線の本数は少ないが、繁忙期には一部設定されているので併せて確認してみるといいだろう。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)
(観光経済新聞2025年2月3日号掲載コラム)