
今年3月15日から中央線快速・青梅線でグリーン車のサービスが開始された。従来の10両からグリーン車が2両併結されて12両編成となった。これで普通列車グリーン車(快速を含む)は、首都圏のJRでは、東海道線、横須賀線、中央線快速、青梅線、高崎線、宇都宮線、常磐線、総武線快速、湘南新宿ライン、上野東京ラインの各路線で利用でき、全てが2階建ての2両(4号車・5号車)がグリーン車となる。最近のトレンドとしては、JR西日本のJR京都線・神戸線などで導入されている「Aシート」、京王電鉄「京王ライナー」、京浜急行「ウィング号」をはじめ、京阪や阪急などでも快適なシートで移動できる座席指定サービスを導入する列車が増えている傾向にあるが、首都圏のJR東日本内の普通列車グリーン車は昔からずっと自由席を継続している。
メリットとデメリットがあり、メリットとしてはグリーン券を購入しておくことで、時間を気にせずに来た電車に乗れる。そして自分で好きな席を車内で選び、事前にグリーン券情報を事前に登録した交通系ICカードもしくは「モバイルSuica」を座席上のカードリーダーにタッチするだけで済み、慣れると非常に簡単である。
一方でデメリットとしては、通勤時間帯などを中心に途中駅で乗車する場合に満席で座れないこともあり、座れるかどうかは電車が実際に来ないとわからないという点である。座れなかった場合には無手数料でグリーン券の払い戻しが可能だが、確実に座りたいと思っている人にとっては不便なこともある。特に、新たに導入された中央快速線では、立川や八王子へ向かう場合などでは特急「あずさ」「かいじ」などを利用することも可能で、全席指定席であることから、新宿駅で乗車する際も確実に座ることができるメリットがある。
普通列車グリーン車も今と料金は同じで、指定席にしてほしいという声もあるが、本数が多いことや、イレギュラーで遅延した場合などを考えると導入にはハードルがあるが、例えば通勤列車の一部列車だけ全席指定席にするという方法も将来的にはあるだろう。
普通列車グリーン車は、通常料金とSuicaグリーン料金があり、Suicaグリーン料金は50キロまで750円、100キロまで千円、101キロ以上で1550円だが、個人的には、日常の鉄道利用やエキナカショッピング、さらにはビューカードでためた「JREポイント」が区間に関係なく600ポイントで利用できることから重宝している。会員ランクによっては400ポイントもしくは500ポイントで乗れるのでおすすめだ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)
(観光経済新聞2025年4月7日号掲載コラム)