ニューヨークのクオモ知事は記者会見で、新型コロナウイルスの感染率を調べる無作為抽出で行った抗体検査の結果、13.7%が陽性だったと明らかにしました。また、感染者が多数発生したドイツのある町での調査では、約14%がすでに抗体を持っていることが分かったとのことです。このようなデータから、検査を受けている・受けていない、症状が出ている・出ていないに関わらず、私たちの約14%は実はコロナウイルスに感染していると認識しなければならないのかもしれません。
企業にとっての人は「人財」と書くほど大切なもので、特に私共が携わっている観光、運輸は人ありきの産業です。今、このような状況下でも、採用を止められない事情を抱えている企業もあります。前回、「今後の採用はオンラインで」というテーマで書かせていただきました。オンラインですと、直接会うことができない中でその人物の適性を見極めなければなりません。多くの企業が慣れてはいませんし、そのようなノウハウも持ち合わせていません。よく「どのように実施すれば良いのか」というご質問を受けますので簡単にご説明します。
まずweb会議システムを導入し、会社説明会と面接が行える環境を作ります。エントリーや応募書類の提出は全てweb上で受け付けます。説明会は、オンラインで実施するか、あるいは会社説明動画をあらかじめ撮影しておくと、均一な内容で説明できる他、これまでよりも開催回数を増やすことができるメリットもあります。
試験内容はwebテストとオンライン面接です。リクルートのSPIのような性格や適性、学習能力を判断するツール利用がお薦めで、こちらはさまざまな人材会社がサービスを展開しています。こういったツールを活用することで、直接会えずに人となりを見極めにくいというマイナス面を補うことができます。
どのように日々過ごすかがこの苦境を乗り越えられるかを左右する今、これ以上の感染を食い止め、できるだけ早く収束させるために「Stay Home(うちで過ごそう)」を遵守することは非常に重要です。しかし採用を止められない企業もあります。今はこの状況に即した方法を取るしかなく、オンライン採用は避けては通れません。今後、採用方法の一つとなることを踏まえ、実施を検討されてはいかがでしょうか。
(リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)