私が代表を務めるリッツMCはバス業界に特化した人材採用支援会社ですが、これとは別に3年前に女性バス運転手協会という一般社団法人を立ち上げ活動を続けております。これは、バス業界の採用に携わるにつれ、女性採用の重要性を痛感したためです。協会の役割を一言で申し上げると「女性バス運転手を増やし、バス業界で女性が活躍する環境を実現する」ことになります。
協会の会員には、法人会員、個人会員、賛助会員の三つがあり、法人会員はバス事業者、個人会員は現役バス運転手およびバス運転手を目指す方や興味のある方、賛助会員は女性バス運転手を増やすことに賛同してくださる法人にお願いしております。女性バス運転手協会の活動はそのすべてが女性バス運転手を増やすためのものです。「バス運転手になりませんか」という女性向け広報PR活動、現役女性バス運転手の方やバス事業者様(経営層、人事担当者など)へのインタビュー、ヒアリング、アンケート収集、データ集計、不定期ですが広報誌の発行、そして「女性バス運転手の会」という毎年3月に行っているリアルイベント実施など多岐にわたります。
このイベントは残念ながら、今年は新型コロナウイルスの影響で開催を見送りましたが、現役バス運転手同士や現役バス運転手とこれから目指す人との交流が行われる貴重な機会となっており、ここからバス運転手になった女性もたくさん存在します。バス運転手のやりがいや大変さはもちろん、女性ならではの経験談などリアルな実務や環境を共有できます。現役運転手は社内で女性が自身1人だけということも珍しくないので、他の会社の女性運転手の日常がどんなものなのか知りたいという人がとても多いです。また、これから運転手になろうと考えている女性は、現役の方のお話に吸い込まれるように聞き入ります。バス業界は女性向けの広報が不足しており、女性同士がコミュニケーションを深める場もないので、このような機会は非常に貴重です。バス運転手に興味のある女性に実際に求人に応募してもらうきっかけを提供することが、女性バス運転手を増やす最初のステップとなります。
女性バス運転手協会の活動は、少しずつではありますが、新たな女性の雇用につながっています。次回は女性バス運転手協会の事業者向けの取り組みについてご紹介したいと思います。
(リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)