集客や省エネ、生産性向上に役立つ製品を提供
自社による商品開発から製造、販売、メンテナンスまでを一貫して行う温浴用循環型ろ過装置専門メーカーのショウエイ。ろ過装置は、旅館・ホテル、スパ施設、フィットネスクラブなどの浴槽やプールに2万台以上も導入されている。同社の山岸祐太・開発部課長代理に主力製品の特徴や今後の事業戦略などを聞いた。
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――主力の製品は。
「ろ過装置の『SPFシリーズ』はFRP製で優れた耐蝕性、対候性、保温性があり、浴槽はもちろん、温泉や海水などの腐食性の高い水質に対しても利用できる。ろ過装置以外にも、自動塩素注入装置や貯湯タンク、FRP製浴槽のほか、宿泊施設の集客に一役買えるマイクロバブル装置や、人工炭酸泉装置などの付帯設備を幅広く取りそろえている。当社は機器を販売するだけのメーカーではなく、温浴設備機器に対してトータルにサポートする体制を整えている。さまざまな課題に直面している温浴施設に対して、最適な提案を行っている」
――具体的には。
「一例として、安全管理を行う専任の技術者が減少している中、状態監視サービスを提供している。その内容は運転状態、水質維持、警報などの管理や故障把握であり、さらには、インターネットを利用した遠方監視で常時、施設を守る。社内には、水道法登録機関である環境衛生水質分析センターを設けており、メーカーとして安全管理と連動した水質分析業務を行っている」
――施設の生産性向上にも熱心に取り組んでいる。
「ここ数年は、生産性向上をテーマにした省エネの『見える化』システムを提案しており、水光熱費の削減では、納入施設で大きな成果を上げている。代表的なシステムはろ過ポンプの電力削減であり、浴槽の水質変化で運転制御を行う『濃度感知運転制御エコシステム』や、浴室に設置した人感センサで運転制御を行う『フィードフォワード運転制御エコシステム』などがある」
――今、最も強くアピールしている製品は。
「温浴施設では、人工炭酸泉やマイクロバブル泉が増えている。従来からあるジェットやバイブラマット・超音波風呂と同じように、人工温泉としてアトラクション性が強いため施設の差別化につながるからだ。そこで当社は今、人工炭酸泉とマイクロバブル泉、そして、人工炭酸泉とマイクロバブル泉の混合泉であるミルキーソーダ泉を作り出せる『人工温泉製造装置』を提案している」
「炭酸泉とマイクロバブル泉を同時に導入するのは、発生装置の設置スペースの問題などから難しい。しかし、人工温泉製造装置は、これ1台で三つの人工泉を発生できるので、最小限のスペースで機器を機械室に設置できる」
――それぞれの人工泉の特徴は。
「炭酸泉は、炭酸ガスを身体に吸収することにより血行が促進される。肌への気泡の付着は心地よい。炭酸泉は、体感温度が高く感じられるので、38~40度の湯温で入浴するのが一般的だ。入浴直後の血圧の上昇を抑え、体への負担を低減できるため、最近では介護老人保健施設への導入も多い。そのほかさまざまな業種で活用が可能だ」
「マイクロバブル泉は、微細な気泡を包み込み浴槽全体を乳白色にする効果や毛穴の汚れの洗浄などの特徴を持つ」
「ミルキーソーダ泉は、人工炭酸泉とマイクロバブル泉が同時に存在することで気泡が弾ける効果が生じ、これが肌への刺激となり、炭酸泉やマイクロバブル泉とは異なる新しい人工泉として入浴を楽しむことができる」
――使い方は。
「装置のタッチパネルによって操作するので簡単だ。週間タイマーによって曜日ごとに人工炭酸泉、マイクロバブル泉、ミルキーソーダ泉を選択することができる。これらタイプの違う人工泉は、視覚的に分かりやすいため、普段の浴槽とは異なる浴槽を演出することができる」
――最後に、旅館・ホテルへのメッセージを。
「省エネシステムや見える化を採用した施設では、削減できた利益をさらなる高い顧客サービスへ有効活用していただいている。これからも多くの施設に対して、運営状況を踏まえた省エネ見える化システムを、最小の投資で最大の省エネ効果が得られるよう提案を行うことが当社の責務だ。本年も施設の集客や省エネ、生産性向上に役立つ製品を提供したい」
山岸課長代理
ショウエイはろ過装置をフルサポート