デザイン、機能性を追求
最高級の木曽檜(ひのき)、高野槙(まき)、椹(さわら)、青森ひばなどの天然ものを使用した浴室空間を提案するのは主に木製浴槽の設計、製造、販売、施工を行う檜創建だ。浴槽は全て熟練工による手造りで、厳選された素材に伝統的な木工技術が注ぎ込まれている。
近年の代表作である浴槽「O―Bath(オーバス)」シリーズは、工業デザイナーの川上元美氏がデザインを担当。タガのない自由形状のデザインが特徴で、「グッドデザイン賞」(Gマーク)の受賞経験がある。
積極的に新製品の開発を行う同社では昨年末、浴槽の新ブランド「The―HINOKI」シリーズも発売。コンセプトは「その地域の独自性の再発見」で、地域産の「東濃桧(ひのき)」を使用した。東濃桧は、同社が本社を構える中津川市などの東濃地域で産出。今までは耐久性の面で問題があり使用を控えていたが、独自の特殊三層構造の採用でこの問題を解決し、製品化に成功。デザイン面では、よりすっきりとしたモダンな形状に仕上げた。
また、モダン和風を演出するユニットタイプの「わのゆ」シリーズ加え、フリープラン、フリーサイズが特徴で、浴室空間のリニューアル需要に応えた「フリースタイル・システムバス」が好評。施設の好みによって壁、扉、浴槽、床の仕上げ素材、仕様を選べる仕組みが評価されている。
同社の小栗幹大社長は、「訪日外国人の急増もあり、より和を意識した浴槽が求められている。今年も和のデザインを意識して、かつ、耐久性など機能面にもこだわった製品を開発する。旅館・ホテルの皆さまの一助になる浴槽を届けたい」と意欲を見せる。