【体験型観光が日本を変える19】地域振興へ仲間が参集 藤澤安良


 北朝鮮に絡む事件が相次ぐ中、またもや北朝鮮からと考えられるミサイルが日本の排他的経済水域である日本海に着弾した。一方で、盛り土にゴミが混入しており、土地代が格安になったことが問題視されている学校予定地があり、愛国心を育てると言って園児に教育勅語を暗唱させるなど、異様な映像が流れた。きな臭い、泥臭い話が飛び交う中にあって、さわやかな話をしたい。

 全国ほんもの体験ネットワーク(加盟21団体と傘下組織合わせて60団体)の北海道から沖縄までの全会員が集い、陽光うららかな3月3~5日、徳島県南阿波よくばり体験推進協議会(美波町、海陽町、牟岐町)の活動地域で総会を開催した。年度末の多忙な時期にもかかわらず全会員の参加に意識の高さが確認できることとなった。

 全体総会に先駆け、コーディネート組織のあり方や、文部科学省の新学習指導要領の改訂に伴う「自主的・対話的で深い学び」の学習手法の導入に向けた修学旅行への対応方法、体験プログラムの構成や進行方法などのセミナーを開催した。

 延べ67人が参加するなど、テーマに対する関心の高さがうかがえる結果となった。総会には、開催地の徳島県の南部県民局長、地元3市町の町長、副町長、観光担当課長も会議から後の情報交換会に至るまで終始ご臨席いただき、総勢82人の参加となった。行政がしっかり地域振興に取り組む姿勢が示された形となった。

 総会の議題では、前回の第13回「全国ほんもの体験フォーラムin福島・南会津」の報告、来年3月に開催される第14回の同フォーラムの開催地となる奈良・飛鳥からの参加依頼、第22回総会を広島湾ベイエリアの活動地域で12月2日に開催する件などが承認された。

 日本や全国ネットワークの共通の課題として、拡大する訪日外国人への対応、農泊を推進する2017年度の農林水産省の補助金交付金への対応、ホームステイ型民泊の安全対策や危機管理の徹底など、すべての地域がより高みを目指すこととした。

 過疎・少子高齢化、1次産業の衰退など、ホストファミリーや体験プログラムインストラクターなどの担い手の不足については、すぐさま名案がある訳ではないが、先進地や先駆的事例などに学び、前進し、体験交流が地方の未来を拓く鍵となると自覚し、邁進する覚悟を共有した。
 後の情報交換会では、地元の郷土芸能である日和佐太鼓や阿波踊りが披露され、阿波踊りでは参加者も踊りを伝授され、会場は踊りの輪と同時に心も一つになった。

 新年度を前にして、全国各地で同じ方向を向いて、地域振興を目指す人々が普段はライバルでもあるが、仲間として連携していくことは、極めて有意義である。それぞれの地域でのさらなる健闘を期待したい。ご参加の方、開催にご尽力いただいた方、ありがとうございました。

 
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