ウクライナ侵攻は終戦の気配どころか、残忍で激しい攻撃が繰り返されている。76億人もいる21世紀の地球で、これほど無残で無意味な死者を出す戦争犯罪を止めることができないのはなぜなのか。人類が進化したと思われる中で無力さを思い知らされることになる。国連をはじめとする世界秩序の在り方を改めるべき時である。
また、ここまでしぶといとは予想しなかった新型コロナウイルスの感染は3年目を迎えている。全国で連日5万人前後で推移し、微減微増を繰り返している。
ここにきて、撲滅させたかのように思われていた中国上海市では再び猛威を振るい、3月下旬から始まったロックダウンは3週間を超え、外出禁止と食料調達が困難で毎日PCRか抗原検査を受けなければならないなど、住民には疲労とストレスがたまっており、市中での暴動や抗議行動の映像が届いている。
ウクライナからの映像とは比べ物にならないまでも、日本で起こっていないことに安堵しなければならない。
過日、本紙で沖縄県宮古島市の下地島空港が紹介された。私も成田空港からLCC(格安航空会社)にて同空港到着便で宮古島を訪れた。
こんな時期ではあるが、往路は約6割、3日後の復路は満席であった。しかし、那覇経由や宮古島空港直行便が間引かれていることもあり、リゾートホテルの宿泊客は決して多くない。
気温も当日は東京が25度であり、宮古島市は26度とあまり変わらず、海水浴にはいささか早い気候である。
同市は面積204平方キロで、以前にレンタカーで観光スポットを1周したが1日で終えることができた。従って、滞在目的がなければ日帰りや単泊になるが、マリンスポーツなどの体験プログラムが多数用意されており、滞在体験型の象徴のような旅行スタイルである。
私は空港シャトルでリゾートとの往復をし、路線バスで街に買い物に出かけ、海岸散歩とリゾート内の温泉に出かけ、郷土の味覚を堪能するなど、時間をゆっくりと過ごす旅である。
人口約5万3千人の地域に沖縄県市町村別1位の247軒の宿泊施設がある。航空輸送力から考えてそれらが満員になるには3泊以上の滞在とその滞在目的となる体験プログラムやマリンアクティビティ等が不可欠であるが、同市にはそれらプログラムを提供する会社が約40社に及んでいる。
新鮮な魚介類のすしや刺し身、宮古牛やアグゥー豚の肉料理などに加えての沖縄料理、そして島唄のライブを聞きながらとなれば、旅の雰囲気をさらに盛り上げてくれる。つまりは、旅客向けの地産地消の郷土料理こそが旅の大きな目的になることを沖縄は知っている。
酒類もオリオンビールと泡盛が前面に出ている。全国各地には地元民向けだけで、ここでこれを食べなくてもいい店があまりにも多い。観光振興や観光政策と言いながら地元色がないなら、そこに行く必然性がない。サンゴ礁の青い海がなくても、山や川があれば、そして体験プログラムがあれば、どこでもリゾートになれる可能性がある。