【体験型観光が日本を変える259】マスクなしの行動は定着するか 藤澤安良


 ロシアのウクライナ侵攻が収まらず、世界中で防衛意識が高まりつつあり、フィンランドとスウェーデンがNATO(北大西洋条約機構)加盟を申請した。そんな中、22日、米国のバイデン大統領が来日した。

 東欧での戦争だけではなく、北海道の北の海域をロシア艦船が往来し、尖閣諸島や沖縄の海域の往来が激しくなる中国軍艦や航空機。新型コロナでの犠牲者が増え続けていると報道されており、国内事情がとても厳しいはずの北朝鮮のミサイル発射の兆候。新大統領になった韓国と北朝鮮との関係はどう動くのか―などアジアでもきな臭い状況が高まっている。米国と日本の関係のみならず、アジアの平和をどう維持、推進するのか大きな課題である。

 政府は海外渡航者の入国枠を2万人に拡大するなど緩和の方向に向かっているが、海外旅行も増加させたい。国民の多くも海外旅行を待ち焦がれている。また、航空会社や旅行会社の経営も改善されない。

 まずは隣国からとはいかず、韓国や中国への渡航のモチベーションが上がらない。いくらパスポートを持っていようと、日本との関係が良好であってこそ安心できる。日本の難局を救うことになるのが内政説明力と外交交渉力である。

 新型コロナ感染防止対策で3年にわたって推奨してきたマスク着用について、屋外で2メートル程度の間隔があって、会話をしなければマスク着用をしなくてよいとの見解を発表した。

 マスク着用は国民の間に染みついた習慣であり、人がどのように思うのか、人の目も気になり、すぐさまマスクなしで行動できるかどうかは疑問である。

 官房長官の記者会見の後、マスクなしで数人しか出会わない幅の広い歩道を駅まで歩いてみたが、白い目とまではいかないまでも、灰色の目で見られている気がした。しかし、マスク着用の部分解除はインフルエンザ並みの扱いになる一つのきっかけとなることは確かであろう。

 現に私の別世帯の身内も新型コロナに感染したが、3回目のワクチン接種を終えていることもあり、幸いにもごく軽症で3日ぐらいの休養ですんでいる。

 そんな中、各県や自治体単位や広域圏域での宿泊割引制度が導入されており、平日の宿泊客の動向も活発になりつつある。いろいろな地域キャンペーンが展開されるのは、観光業界が期待している「Go Toトラベル」キャンペーンの再開までのつなぎとして意義がある。

 過日も平日に割引券なしで千葉県南房の宿泊施設を訪ねたが、満員とまではいかないまでも盛況であった。自宅から2時間で行ける宿で連泊したが、全国たくさんある社寺や城、岬の灯台、樹木や草花が多い公園など、地域エリアで完結するし、見どころはとてもたくさんあった。

 宿泊施設の周りにどんなものがあり、どんな体験ができるか掘り起こしてみてほしい。きっといっぱい面白いものがある。ルートで走り回るのではなく、エリアで連泊滞在する旅を主流とすべく、地域と宿泊施設が行動しなければならない。いよいよコロナとの共存を目指して行動を起こす時が来ている。

 
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