【体験型観光が日本を変える271】コロナとの新しい付き合い方 藤澤安良


 新型コロナウイルスの感染者数は増え続け、各都道府県で史上最高を更新し続けている。総理も感染し、私の周りを見渡してもすでに感染した人も多い。

 ここにきて、当初少なかった日本の感染者数が世界10位で約1700万人まで上がってきた。集計は全数把握できていない国があり、正確な比較にはならない。他国の数値に影響されることなく、自国の対策を推進しなければならない。

 感染者がピークなのか、高止まり傾向なのか、そんな状況下のお盆を過ぎた20日土曜日にも高速道路は渋滞し1時間以上到着が遅れた。航空機も19日金曜日の高松空港から羽田空港への便はほぼ満席であった。新しいコロナとの付き合い方が始まりつつある。

 講演セミナーの延期は起こっているが、完全になくなった2年間と違って、当方も全国各地へ出かけている。新学期からの修学旅行の受け入れをコロナ禍でどのように始めていくのか、また、地球環境問題や自然災害、気象変動に無関心ではいられない。つまりは、それぞれの立場でSDGsに取り組まなければならない。

 とりわけ、地方には過疎化、少子高齢化、集落や田舎の存続、自然環境問題、限界集落、廃村集落・空き家、農林水産業の低い生産性、1次産業高年齢化・後継者不足、耕作放棄地の拡大、労働力不足、人工林の放置、森林間伐不足、獣害、里山保全、竹林放逐、中心市街商店街の衰退、独居老人、買い物難民、住民サービス低下など都市の暮らしと大きく異なる課題が山積している。それはそのままSDGsの取り組みにつながっている。

 これらの課題解決を地域の人々と議論する機会をつくっている。メンバーからは、地域の存続に直結する重要な課題ではあるが、地域で真剣に議論をしたことがないなどの指摘があり、「住民自身で課題を共有し、その解決策を探り議論を展開することがとても重要だと感じた」などの感想もあった。

 地方の課題は他人事になっている都市の生徒や学生とも一緒に自分事として探究する。極めて教育効果が高い学習の素材になっている。

 ウィズコロナからアフターコロナに向けては大きく変化している社会情勢により、走り回る旅から1カ所で連泊滞在し、そのために長い滞在時間を有効活用する体験交流型のアクティビティが必要になる。旅行会社のバスツアーも同様な内容にすべき時である。

 宿泊施設や昼食も見栄えやボリューム重視の結果、輸入食材や業務用冷凍食品が並ぶ。そこから脱却し、日本の農山漁村を応援し地域振興つなげ、その宿の繁栄のためにも、鮮度で圧倒的に有利な地産地消を徹底すべきである。

 料理人は出入りの納入業者任せではなく、生産地に直接出向き品質を確認し、安定供給に向けた契約栽培などの交渉もすべきである。動かず努力せず楽してもうかる時代はもう来ない。観光産業が未来に向かい、大きく変わるべき時が来ている。

 
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