新型コロナウイルスによる感染者数は、東京で2週間連続で前週を下回っており、全国的に減少傾向となっている。従って、第7波のピークアウトが来ていると思われる。
しかし、重症者数や死者数は依然として高い数値を示しており、強い感染力は衰えていない。当然ながら、安心せずに引き続き感染防止対策を続行する必要がある。
政府は、オミクロン株に対応する新しいワクチン接種を行うと発表した。すでに4回目を終えた高齢者はどうなるのだろうか。5回目になるのだろうか。その詳細は不明だが、ウイルスの変化に応じて対策も変化すべきである。
夏休み期間中は、コロナ前までとはならないまでも、祭りや花火大会、スポーツやイベント、帰省や旅行とかなり多くの人流があった。それでも、9月に入り、感染者の減少は経済活動が戻る過程ではいい材料である。一方で、大雨洪水による河川の氾濫や土砂崩れ、家屋への浸水、農作物への影響など甚大な被害をもたらした。
ここに来て、気象庁は今年の梅雨入り、明けの時期の確定値を発表した。速報値で明けを6月下旬とした九州南部等の7地方をそれぞれ24~28日間ずらし、7月下旬と大幅に修正した。北陸、東北南部と北部は特定できないとした。
多くの地方で観測史上最速とされていたが、記録ではなくなった。大幅な修正は初めてであり、梅雨という気象基準すら合わなくなり、今までの歴史にない状況が起こり続けている。
世界でもパキスタンの大洪水をはじめ、各地で起こっている干ばつや山火事等、ずっと異常気象と言われ続けているが、毎年のように続くとそれはもはや通常気象とも言える。いまさらではあるが、人類は温暖化などの地球環境問題に真剣に取り組まなければならない時である。
そしてそれは、二酸化炭素(CO2)の排出量削減のためのエネルギー問題は避けて通れず、SDGsの推進とともに、国民の意識に根ざしていく必要がある。
学校教育でも、社会的課題が山積する地方への修学旅行ではその課題解決に向けての探究学習が可能であり、好機でもある。また、企業モラルの低下が心配されている。SDGsの取り組みも進んでいるのはごくわずかであり、SDGsの17色リングバッジの胸章を付けている人は多いが、残念ながら必ずしも行動が伴っているとは言えない。
この状況からの脱却は、意識を高めて、行動に移せるような動機付けが必要になる。社会性を高めるためにもSDGsプログラムを企業の社員教育にも活用すべき時である。
また、一般ツアーでも、食べ放題、お土産付きが売りとなる旅行ではなく、課題現場を見て、体験して、解説を聞き、情報交換し、社会問題を理解し、共有し、解決策を考える機会となるような全く新しい旅行企画が必要になる。それは今までにほとんど企画されていないが、コロナ禍時代を乗り越えて、新しい時代を切り開く行動が求められている。
新しい商品構造やビジネスモデルの変革が旅行会社の生き残りの道である。