昨年末、クリスマス前にハワイに行ったが、日本で800円ぐらいのラーメンと350円程度のギョーザ、650円のビールが5千円を超えた。物価高と急激な円安のダブルパンチで、実に3倍である。物価高は当然日本も同様だが、それでも日本の物価が安く感じる。つまりは、訪日外国人にとって観光やもてなしに加えて、日本製品やおいしい食事が割安に感じられるなら、とても魅力の渡航先になるのは明らかである。
行動規制のない年末年始は、日本海側は雪に覆われ、太平洋側は快晴で穏やかな正月休みとなった。帰省客や観光客はコロナ前に戻りつつあり、交通機関や高速道路は混雑した。人流が活発になって、コロナの感染者数は増えている。
あれだけかたくなにゼロコロナ政策を貫いた中国が春節前のここにきて多くの制限を撤廃した。政府見解と大きく異なるが、感染が数百万人に達し、火葬場が追い付かないとする映像が流れるなど、危機感と不信感は拭い去れない。それは、同時に日本でのまん延の危機でもあり、医薬品や不動産の爆買いの懸念もある。厳重な水際対策が求められている。
全国旅行支援が年始の10日から再開されたが、正月明けの旅行支援のない5~8日に、航空券・宿泊・レンタカーの予約をネットで済ませて沖縄に出向いた。航空機はほぼ満席、中級クラスのホテルもほぼ満館の盛況ぶり。そのほとんどが家族やカップルでのレンタカー利用客である。温暖な沖縄という事情もあり観光は戻りかけている。
しかし、コロナ前に見かけたツアーバスは4日間で見つけられなかった。観光先の入場券も近くの道の駅やコンビニで買ったり、ネットで前売り券を購入したりと当日現場で購入するよりお得な方法がある。旅行会社はこのシステムに対抗し、安くて便利でなければ利用されなくなる。
また、焼き肉屋に行けば、目の前にスタッフがおりながら「スマホからの注文になります」言うだけ。回転ずし屋もファストフード店でもタブレットからの注文が普及し、デジタル機器を使いこなせなければ、食事もできず、旅行もできないのかという時代である。使いこなせない高齢者向けの至れり尽くせりのアナログツアーの価値が高まるかもしれない。
7日、成田空港インフォメーションセンターに爆弾予告電話があったとして、ジェットスター機が中部国際空港へ緊急着陸する事態が発生した。幸い生命の大事には至らなかったものの、当該便の当事者はもちろん、それに関連した欠航便が相次ぎ多大なる迷惑と損害が出た。
犯人の狙いは会社なのか、人物なのか、日本国なのか。犯人を特定しその代償を払わせなければならない。安全運航の保障が前提の航空会社にとっては経営の根本を揺るがしかねない事件である。一刻も早い事件の真相究明が待たれる。私は次の日のジェットスター航空に搭乗したが不安はゼロではなかった。
デジタル化は進み、日本人のホスピタリティや接客接遇の機会が減るのはさみしい限りである。サッカーW杯会場でゴミ拾いをする日本人サポーターのように、日本の良さやらしさをなくしてはならない。忘れてはならない。日本の観光は人のやさしさや親切と安全でできている。