【体験型観光が日本を変える337】日本とハワイの事情あれこれ 藤澤安良


 立春が過ぎ東京に雪が降るという予報が出た。そうなれば、日本海側は大雪になる。能登半島地震の被災地はインフラが完全に戻っておらず厳しい生活を強いられる。うまく切り抜けてほしいものである。

 国会では政治と金の問題で大騒ぎになっている。来年に迫った関西万博も間に合わないのではとの憶測や報道がなされて心配である。

 インフルエンザの流行も身近に迫り、コロナも変異株に置き換わり感染拡大が感じられる。マスク着用者も増えている。国内外ともにあまり良いニュースがなく、日本人の中には生活に余裕がない人が多いように見える。インバウンドは来てくれているが、日本自体の経済活性が強く求められるところである。

 東京の天気予報で北海道の天気は雪と表示され、札幌では激しく雪が舞い、留萌では豪雪の除雪作業が映し出されていた。そんな中で、南知床の中標津空港へ飛んだ。

 標津町のガイドインストラクター研修を20年にわたって実施しており、今回も訪ねたが、快晴で積雪は50センチ程度あるものの最近は降っておらず、道路もアスファルトが見えて乾いている。東京で見る広い北海道の天気予報は少なくとも道東と道北道南は分けなければ情報が誤って伝わっていく。

 気温は氷点下6度で東京では1年に一度も経験しないような気温であるが、現地では今日はまだ温かいと言われ、防寒着で行けば一面銀世界の雪景色は美しく、青空とのコントラストがまぶしい。北方領土の国後島もはっきり見える。そして間もなく流氷がやってくる。絶好の観光地であり、冬こそ観光時期である。

 近くの野付半島にはオオワシやオジロワシが飛来し、バードウォッチングに多くの外国人が訪れているという。2日目にスノーシュートレッキングの実践研修を行った。氷点下10度を下回り、寒風が体感温度を下げ、体感温度は氷点下15度以下となる。

 歩き出して森の中を歩けば体は温かくなる。濡れタオルを振り回すとタオルが棒状に立つぐらい堅く凍ってしまう。本当かと疑っていてもその現物を目の当たりにすると感動する。テン・オコジョ・ウサギ・モモンガ、キタキツネ・エゾシカの足跡や食痕やふんを発見すると動物がこの厳しい自然環境の中でよく生きていて活動しているものだと感心する。

 標津町は近隣市町とともに「鮭(さけ)の聖地」の物語で日本遺産に認定されている。鮭漁の歴史、人工ふ化、鮭の一生など全容が理解できる「サーモン科学館」という鮭類の水族館で学ぶと理解が深まる。

 鮭の漁獲量は道内有数でホタテ・シマエビ・カレイ・ニシン・ホッキ・毛ガニ・など多くの魚介類が取れる。すなわちそれは、街中の旅館や料亭で食べられることから名だたる食通は標津町を訪れる。年間を通じて。約30の体験プログラムが整備され、道東の教育旅行のメッカでもある。

 インバウンドが増え日本と違う気象の国も多い。日本全国四季折々の暮らしの中で体験プログラムが可能である。冬を諦めないで冬の良さを訴えてほしいものである。

 
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